第257回
銀行貸出金利引き上げ後退
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は
北京で開かれた国際金融フォーラムで
銀行金利引き上げ問題に対し
「暫くは状況を見守る必要がある」と発言し、
銀行貸出金利引き上げが後退したことを発表しています。
中国はインフレ懸念が出てきたことで
今まで銀行の預金準備率の引き上げを行い
金融での引き締めを行ってきました。
中国の1〜3月期の国内総生産(GDP)が
9.8%と高い伸びを示したことで利上げ観測が出てきていました。
この背景では国家統計局の
4月の都市部の固定資産投資の伸び率が
34.3%と依然高水準でした。
ですが、この数字は3月と比べて8.8%の低下となっています。
今後は今までの行政効果が表れてくると判断して
銀行貸出金利引き上げを現段階では見送る姿勢でいます。
今回の処置で一部の投資過熱が見られた部門
(不動産、セメント、アルミ、等)では
融資や投資を制限していき、引き締めを行っていきます。
ですが、物流、エネルギー(電力、高速道路、等)では
整備が必要です。
中国は一部の分野では引き締め、
必要な分野では開発を行い
バランスが取れた成長をするよう行政指導を行います。
中国人民銀行が銀行貸出金利引き上げを後退させたことで
中国株式市場の株価が大きく下がる可能性が
今の時点ではなくなってきました。
今まで中国株式市場の株価指数が大きく下がっていく要因としては
・アメリカのインフレからの利上げ懸念
・中国の金利利上げ懸念
が大きな話題でしたが、
今回日本の国内総生産が1〜3月期で
年率換算で5.6%増となり、
名目国内総生産でも0.8%上がり、
年率で3.2%と大きく上がっています。
ここまで大きく上がるとは
国民も日本政府も考えてはいませんでした。
これを投資から考えますと、
日本の景気がよくなってくるということは
日本の株式市場の株価も上がっていくことになります。
この効果は日本だけではなく、
アメリカ、中国の株式市場でも今後連れ高をして
株価が上がっていく可能性が大きくなってきたことでもあります。
このような背景の下、買い安心感がでてきたために
香港、中国本土B株も堅調に推移しています。
今後株価が下がる要因としては
中国のインフレが進んで金利引き上げ懸念が再燃する。
アメリカは6月に金利引き上げをする可能性がありますから、
6月に金利引き上げが決まったときには
株価が下がる可能性があります。
また原油価格が高くなったことで
景気後退懸念も出てきましたので下がる可能性も出てきています。
ですがこのようなときは、
株価が下がったら安く購入できるチャンスでもあります。
成長していく市場では何かの理由で株価が下がったときこそ
魅力が出てきます。
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