第256回
2010年、中国での石油消費量
中国では2010年には石油消費の半分を海外に依存していきます。
2010年には中国の石油消費量が3億2000万トンに達し、
そのうち1億6000万トンを輸入すると推測されます。
2004年第1四半期(1〜3月)の
中国の原油輸入量は3000万トンとなっています。
2003年度、石油の対外依存度は36.5%に達しています。
現在原油価格高騰で
1バレルが38ドルから40ドル超となっています。
中国では今年3月31日から
ガソリン標準価格の引き上げを実施しており、
レギュラーガソリンで8%近く値上がりしました。
消費価格の高騰を避けるためにも、
安定した原油確保が急がれます。
石油、石油化工関連企業は収益や業績でも国策の影響があります。
ですが長期的には伸びていくしかない業種でもあります。
最近の石油、石油化工関連企業で
中国石化と中国石油の最近の動向と業務拡張計画です。
*中国石化(シノペック、コード:0386)
4月
・中国石化は傘下の勝利油田(山東省)で
新たに2.8億トン石油埋蔵量を発見。
勝利油田の周辺地域にも新たに6箇所を発見、
一箇所の石油埋蔵量は2.52億トン超で、
そのほか5箇所は1000万〜3000万トンとなっている。
・ロシアから大量原油を輸入、
今後4年間には鉄道を利用して
ロシアから1700万トンの原油を輸入すると、
ロシア側の石油会社と合意。
今年の輸入量は260万トンに達する見込み。
・中国石化、年内に2万人超を削減、
2000年以前は122万人の従業員がいました。
ですが、昨年までに10.8万人を削減しています。
今年はさらに2万人以上の人員を削減し、
経営効率を高めていきます。
5月
・中国石化、英BP社と提携合意、
二社は折半出資方式で年間生産能力は50万トンの酢酸工場を
南京に建設する。また、酢酸生産用の技術をBPから導入する。
・サウジアラムコと合弁プロジェクトを始動、
プロジェクトの投資総額は35億ドルで
権益比率はエクソンモービルとサウジアラムコが各25%で
中国石油化工が50%となる見込み。
*中国石油、(ペトロチャイナ、コード:0857)
国際業務を強化、今後M&Aなどを行い国際業務に注力。
当面は石油とガスの探査を主要として行い、
原油生産を増産していく。
中国東北部にある大慶油田の原油生産の安定を重視し、
生産量を調整し、西部にある油田の生産拡大を目指す。
中国は2010年には石油消費の半分を
海外から輸入することになります。
これから消費が拡大するに従い、
石油消費量は増えていく一方です。
長期で消費を考えた時には伸びていくしかない業種です。
国策としても必要不可欠な業種でもあります。
特にこの中国石化(シノペック)、中国石油(ペトロチャイナ)の
2社は外せない企業です。
投資でも株価が下がって安くなったときが購入のチャンスです。
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