イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第255回
新奥燃気について

新奥燃気(シンアオガス、コード:2688)は
子会社3社(石家荘新奥燃気、蚌埠新奥燃気、湘潭新奥燃気)が、
世界銀行グループの一社の国際金融公社(IFC)から
総額2500万米ドル(1億9480万HKドル)を借り入れることで
契約したと発表しました。

新奥燃気の筆頭株主は、
保有株2351万4000株(発行済み株式総数の2.71%)を、
IFCに譲渡し、
譲渡価格は1000万米ドル(7792万HKドル)となります。
調達資金は天然ガスネットワークなどの
建設費用に充てる予定です。

新奥燃気の2003年度本決算です。

売上高 --- 878.06百万香港ドル 前年比+61.26%
純利益 --- 183.09百万香港ドル 前年比+43.13%
EPS --- 0.248香港ドル 前年比+37.78%

5月25日の株価は3.300香港ドルでPERでは14.09倍です。
同社は今年の初めまでは
4香港ドルを割る企業ではありませんでした。
ですが、今年に入り同社は新株発行を売り出しました。
売り出し価格は3.84香港ドルでしたが、
その後同社株の株価は下がってきています。
同社の株価で今年に入っての一番の安値は
5月17日に一瞬ですが、2.50香港ドルまで下がっています。
17日の終値では2.900香港ドルでしたが。

同社の目標としては
2005年までに50項目のガスパイプラインの経営権を所有し、
加入数は2500万世帯にしようとしています。
また、業務地域はセッコウ省、広東省、福建省に集中展開します。

業種で見ますとガス事業は
今はどこまで事業地域を広げられるか各社争っています。
同社は今後も業績と収益では期待ができる企業です。
長期で見たときには投資できる企業の仲間入りに入ります。

先回では中国電信(チャイナテレコム、コード:0728)を
見てきました。
2社の株価、PERでの比較です。

中国電信
・25日の株価 2.375香港ドル
・PER 7.72倍

新奥燃気
・25日の株価 3.300香港ドル
・PER 14.09倍

PERでは圧倒的に中国電信が低く約半分となっていて
これだけを見たら中国電信の方が投資対象への魅力があります。

ではどちらの企業に投資妙味があるかといえば
どちらも競合企業があることは確かです。
ですが、ガスという業種は
今はまだ中国全体に行き渡っているわけではなく、
どこまで事業が拡大できるかを競っている段階です。
ですから今後も地域では拡張していける業種です。
また利益を伸ばせる企業で見たら
中国電信より新奥燃気に魅力があります。

どちらか一つの企業に投資するのを選ぶのであれば
新奥燃気の方に魅力があります。
しかしPERでみたら中国電信に適いません。
少し新奥燃気の株価が高すぎます。
ですが将来性のある企業の株価は
高めに推移していくことも事実です。
このような時は今後、
新奥燃気の株価が大きく下がったときには
同社への投資妙味が増してきます。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年5月31日(月)

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