第251回
中国の鉄道高速化問題と投資期間
中国は在来線の五路線、
総距離2000キロ超を高速鉄道化する予定です。
近く入札が始まる予定ですが、
これには日本企業6社と
中国の鉄道大手の南車四方機車車両、
ドイツのシーメンスが組んだ長春軌動客車が
入札に申し込んでいます。
時速では200キロメートルを確保できる車両となっています。
日本が落札したときには
日本でできた完成車両を輸出し、南車四方へ技術供与を含め、
現地生産に切り替える予定です。
早ければ2005年中にも一部運行が始まります。
中国は最終的には
総距離で2万キロの在来線を高速化しようとしていて
今回はその第一段階です。
日本は今回受注できれば
ここを突破口として
受注拡大につなげていけることに期待をかけています。
日本、ドイツ、どちらが受注できるか、
または両国が分担して受注するようになるのかは未定ですが、
ここでは鉄道の高速化問題です。
日本でも鉄道が高速化されたのは東京オリンピックの時期です。
今から約40年前です。
中国にもこのような波が今後訪れるだろうという段階が
今の中国の鉄道の実態です。
鉄道分野で総延長2万キロが全線開通するには
今後少なくても10年、20年はかかります。
それまでは国の公共分野での支出が続きますし、
国民の移動時間が短縮されていきます。
これを投資の面から見ますと
恩恵を受ける業種は利益を上げれる、ということでもあります。
株式で一番利益を上げることができるのは
投資国が先進国の仲間入りをして
経済でも飽和状態になった時までです。
その間が株式投資では大きな利益が望めます。
今回は鉄道の高速化、という
小さなミクロから投資年月を見ましたが、
経済全体から見ていくと
投資で利益を出せる時期が把握できます。
この点では、極端なことをいいますと
日本が受注しようがドイツが受注しようが関係はありません。
もちろん日本が受注できれば日本の経済活性化につながります。
運輸で鉄道関係の企業は
香港のH株で広深鉄路(コード:0525)が上場しています。
同社は広州−深セン間の鉄道(広深鉄道)、
広州−九龍間で運行しています。
旅客、貨物輸送が主要業務ですが、
他に売店業務、旅行代理店、鉄道管理工事も行っています。
今後は鉄道関係企業でも次々と上場してくることが考えられます。
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