イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第233回
経済成長と株価

中国政府の対応として中国人民銀(中央銀行)の周小川総裁は
「当面最も重要なのは金融政策の安定性を保つこと」を強調し、
「現段階では金利引上げは時期尚早」と発表しました。

ですがこの発言自体、
暗に金利引き上げも視野に入れているということでもあります。
金利が引上がるということは銀行にお金を預けた時に
金利が今までより高くなることですから
株式市場に投資し、リスクを背負うよりも
銀行で安定した金利がもらえるのなら
預金妙味がでてきます。

株式市場にお金が入ってこなくなり預金にお金が流れます。
当然、株式市場に参加する投資家の減少につながります。
投資家が減少すれば必然的に株価は安くなっていきます。
市場では中国政府が経済統計発表から
金利引上げの現実味が出てきたとの先取り観測が広がり
株価が下がりました。
証券会社からの見方では
今後マーケットの地合いが悪化していく可能性がある、
と見ています。
ですが金利が引き上げにならないのであれば
株式市場に入ってくるお金は今までと変わらないことになります。
中国の経済は万全ではありません。
非常に繊細な経済の綱引きが必要です。

中国は世界からおおきな注目を集め、
金利に対して経済政策を行なうのは
今回が初めてではないでしょうか。

中国の通貨、元で見てみますと、
1972年、元の価値は日本円に対して約160円でした。
その後値下がりしましたが1976年にまた160円近辺に戻った後、
その後はずうっと長期に渡り元の価値は落ちてきています。
約32年間にわたる長い間、下がり続けたのです。

現在は1元が日本円で約13.5円程度です。
これを見ると昔は160円出さないと買えなかったものが
今では13.5円出せば同じ品物が買えることと同じです。
つまり昔の元は今の価値の約12倍の値打ちがありました。

今後の政府の金融での舵取り次第では、
失策すれば昔のような中国に逆戻りすることも考えられます。
そのようなことは現時点では考えられませんが
見方としては成り立ちます。

ですから今後中国が経済成長の恩恵を受けて
国家が強くなるということは
その国の通貨も高くなる、ということでもあります。
この点で今後の金利政策が
今までとは違って強い元にすることですから
中国にとっては32年ぶりの出来事です。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
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2004年4月29日(木)

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