第185回
株価と通貨
2月に入り国営新華社電のニユースで、
中国国民銀行(中央銀行)の周小川総裁は、
中国の通貨の元に対して
「今年、為替相場の形成メカニズムを改善する」と発表しました。
また「合法的でバランスの取れた相場水準で
基本的に安定するよう保つ」といっています。
これはどういうことか、というと
現在ほぼ中国の通貨、元は8.277元に固定されていますが、
少しずつ為替幅の変動幅を広げていく、
ただし、大きくはしないで少しの(数%内)範囲で行う、
というものです。
人民元の先物の1年物は人民元の先高感を折り込んでおり
7.8元近辺で推移しています。、
現時点では中国政府は
どのような仕組みの為替制度を行うのかは発表していませんが、
通貨バスケット制などが考えられます。
通貨バスケット制とは、
米ドル、日本円、ユーロ、などの
複数通貨を連動させた為替制度です。
年内、特に今年前半は難しいかもしれませんが、
後半、遅くとも来年前半には
元の為替変動幅を広げていくことになりそうです。
ですが、本当の元の兌換(変動相場制に移行)は今はできません。
中国4大国有銀行の
不良債権問題が片付かない限りは難しいでしょう。
したくても中国は出来ません。
今回の中国通貨の元の為替幅を少し認める、というところに
実は重要な意味が隠されています。
株価と通貨の問題(関係)です。
2月半ばの中国の通貨、元は日本円で約12.8円です。
ここで元の価値が
単純ですが、20%切り上がったとしたなら15.6円です。
と、いうことは今なら12.8円出せば買えますが、
きり上がったときには
15.6円出さないと買えなくなるということです。
現在は中国株を購入する時には
香港市場、シンセンB株は香港ドル建てで、
上海B株はアメリカドル建てとなっています。
将来は中国本土A株とB株が合併された時には
元での取引となります。
また、香港ドルと元の関係に関しては
元の価値が上がった時には
香港ドルの株価も元と同じ価格で取引される事から
元と釣り合いが取れる香港ドルでの株価になり
香港ドルと元の価格が同じ金額の株価で
取引されるようになります。
実際行なわれるのはまだ先のことですが、
一歩先に踏み出した、ということで
今回の出来事は大きな意味がありました。
<次回に続く>
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