第181回
中国人寿保険(コード:2628)違法資金発覚について
中国国家審計署は中国工商銀行と
中国人寿保険の親会社の中国人寿保険(集団)公司の
会計監査を行ないました。
このときに約350億元の違法と思える資金が確認されています。
これを受け、工商銀行の本店及び21の支店と、
中国人寿保険の本社を対象に調査を行ないました。
中国人寿保険は2003年の12月に上場したばかりの企業です。
中国人寿の株価は昨年12月18日の上場から
現在まで、(2月3日)56%上昇しています。
(上場時の公開価格は3.59香港ドル)
大手証券会社では、
現在の中国人寿の株価は高すぎると考えていて、
目標株価を4.44香港ドルと見ている証券会社もあります。
ですが、地元証券会社は、
中国人寿がH株指数に入ると予想されることを理由に、
最近の株価下落のチャンスに下値買いを推奨し、
3ヶ月の目標価格を6.6香港ドルと設定しています。
今月ハンセン指数サービス社によって行われる
3ヶ月ごとの検討の際に、
正式にH株指数構成銘柄に編入されると予想しています。
中国人寿の先行きに悲観的な
外資系証券会社の意見を総合しますと、
みな中国人寿の資金の潤沢さ、業界内におけるリーダー的立場、
市場シェアを維持できること等に関しては好感しています。
また中国国内において保険業務が安定成長していることから、
収益見通しは良好だと考えています。
しかし、中国人寿の株価はすでに高すぎる水準まで上昇しており、
そのため株価は高いと見ています。
外資系証券会社が1月30日に発表したレポートの中で
その理由を説明しています。
全世界の同類業務における
代表的数値である株価対潜在価値は1.7倍、
および2004年のPERは17.5倍です。
レポート発表時の株価5.75香港ドル(2月3日)で計算すると、
上記2項目の数値は2.3倍および22倍と高くなりすぎています。
このため中国人寿の株価は
すでに高くなりすぎているといっているのです。
確かに世界の水準から見たら株価は高目かもしれません。
ですが中国の保険業界は今後の発展が見込めます。
ここで投資を考えた場合には
今回のような問題が起きて株価が下がったときには
安く購入できるのですから
絶好の投資チャンスだと見ることも出来ます。
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