第172回
2003年、GDPは前年比9.1%増加
中国の国家統計局は1月20日に
昨年(2003年)の中国の国内総生産(GDP)が
前年比9.1%増加したと発表しました。
2003年の社会消費品小売総額が
前年比9.1%増の4兆5842億人民元に上ったと発表しています。
消費者物価指数は1.2%上昇。
都市住民可処分所得は9.3%増の8500人民元で、
農民純収入は4.3%増の2622人民元となっています。
GDP成長率を四半期ごとにみますと、
1−3月は9.9%と好調な出だしとなりまたが、
4−6月期はSARS感染の拡大が深刻化し、
6.7%に落ち込んでいます。
ですが、7−9月期は9.6%、
10−12月期は9.9%と急速に回復。
大方の予想を上回り、通年で9.1%増の11兆6694億人民元となり、
1人あたりでは1090米ドルとなりまた。
中国のGDPは2002年に初めて10兆人民元を超過。
2003年は1人あたり1000米ドルを超え、
2年連続の大台突破を達成しました。
これは1997年以来の高成長です。
また、昨年の国内の1人あたりのGDPは
初めて1000米ドルを超えて1090米ドルに達し、
中国がやや余裕のある暮らしの段階に入ったことを示しています。
1人あたりGDP1000米ドルは
一般的にモータリゼーションの発生、
大衆消費社会の到来などの基準といわれています。
改革開放政策による中国経済の発展が、
新たな段階に入ったことを意味しています。
ただ、その一方で都市住民と農民の所得格差は拡大しており、
急速な経済発展で生じた問題の解消は、
中国の新たな課題となっています。
今年の経済成長は、昨年よりも低くなり
7%超と予想されています。
中国の成長を知るにはGDP伸び率がどのくらいか、で
判断することはできます。
去年はSARSがあったにもかかわらず高い成長率を維持しました。
では今年以降はどうか、というと
一部には特定の地区、特定の業種には過熱現象を引き起こし、
過剰設備がでたところもあります。
ですが、中国政府は心配することのほどはなく
万全の体制で取り組む、といっています。
この、万全の体制、というのはどういうことでしょうか。
<次回に続く>
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