第171回
「中国圏」
「中国圏」とは、同じ言葉、似た文化を持っている
中国、台湾、香港をあわせた経済圏のことです。
日本から中国、台湾、香港を合わせた
「中国圏」への輸出が急増しています。
昨年の輸出額は前年より約20%増え、
今年は初めて対米輸出を上回るのが確実となりました。
まず中国圏の、国・地域別の2003年度の輸出割合です。
中国本土が12.3%、
香港6.4%、
台湾が6.3%
で、合計すると25.0%です。
これに比べ他の国を見ますと、
米国24.7%、
EU15.0%、
ASEAN(東南アジア諸国連合)13.2%、
その他22.1%、
となっています。
中国圏の輸入割合は、
中国19.8%、香港0.3%、台湾3.7%となっています。
その他の国が、米国15.7%、12.7%、ASEAN15.4%、
その他32.4%、となっています。
中国圏への2003年1月から11月までの輸出額は
前年同期比で19.5%増加して12兆2980億円となりました。
これは米国向けの12兆2940億円を上回りました。
中国は香港と物とサービスでも
総合開放を行う経済協力協定(CEPA)を結んでいます。
中国は生産拠点に加え、
世界の消費市場としても台頭してきています。
日本は香港、台湾を経由して輸出されている製品も多く、
人件費が割安な中国に物作りの生産拠点としても進出しています。
日本企業は相次いで対中輸出を強化しており、
今後輸出が増えていくことが考えられても
減ることは考えられません。
今後も中国向けの輸出が伸びていくことは確実です。
中国は今12.3%ですが、
ASEAN(東南アジア諸国連合)の13.2%を抜くのも
時間の問題でしょう。
このように経済面でも協力しあえ、
延びていける状況と環境が整っています。
例えば日本の車のビッグスリーの
トヨタ自動車、日産自動車、ホンダが
中国広東省で車の生産を行うことが決まりました。
車は部品、素材だけでも何十万点という部品が必要です。
それらを扱う関連企業も進出が加速していきます。
広州周辺に進出した日系の自動車部品メーカーは
現在70社以上に達しています。
現地従業員も必要ですが、技術者も必要です。
また自動車を輸出する時には
運ぶための港湾設備も整っていなくてはなりませんし、
運ぶ船舶も必要です。
従業員自身も車を生産するだけではなくて
購入していく購買者になり、
ますます発展していくことになります。
花見の経済、ではありませんが、
お互い行ったり来たりしていっている間に
経済は発展成長していきます。
中国の株式市場でも同じことが言えます。
中国も経済で恩恵を受け、企業にもその恩恵が回ってきます。
今後日本がますます
中国との関係を深めていくとことは確実です。
このことを株式市場での投資、という観点から捕らえてみますと、
全体的に中国企業も今後外国からの投資を受けて発展できる、と
いうことが見て取れます。
投資できる国である、証拠の一つです。
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