第169回
元切り上げでの投資家への恩恵

私たち投資家は元の価値が上がることによる恩恵を、
株式市場でどうしたら受けることが出来るのでしょうか。
まず考えられるのは中国の通貨、元が
変動相場制に移行する前に
香港市場、中国本土Ｂ株を購入しておけばいいことになります。

そうすればその後、中国企業の株を購入するときには
120円出さなければいけませんが、
もう100円で購入してあるのですから
20円分多く出す必要はありません。
この20円分が中国の通貨が20％きり上がったときの利益です。

つまり、今から元の通貨切り上げを見こして
投資しておくことが先々の収益につながっていきます。
このようなことが中国の通貨が
固定から変動相場制に切り替わったときには
また大きく取り上げられることになるでしょう。

中国の通貨が変動相場制に切り替わるようになる時期は
まだはっきり決まっているわけではありませんが、
2006年前後になる可能性が大きいと思っています。

・中国四大銀行の上場
・2008年の北京オリンピック開催

などのことから逆算するとこのような年月になります。
今から変動相場制に移行することを視野に入れて
投資してもいいのです。
今年は2004年ですから2006年といっても
２年、３年程度しかありません。
株式投資では利益が出ているのかどうか、
判断する時には今日の株価を見て判断すれば分かります。

ですが、大事なのは目に見えない将来利益になる出来事です。
通貨だけ見ていくと上がった下がった、というのだけでは
利益は見えてきませんが、
中国の場合は通貨に関してはこれからが大事になってきます。
そのためにも中国の通貨が
固定相場から変動相場制に変わるまでに購入しておけば
利益が出せます。

日本でも昔ですが、
アメリカドルに対して固定で１ドルが360円の時がありました。
ですが、変動相場制になってから
現在は１ドルが105円近辺で３倍以上に上がっています。
中国の通貨も将来にはそのようにあがっていきます。
ただし、２年、３年、という短いスタンスで見るのではなく、
2008年、2010年の時の為替での利益、
と考えた方が大きく為替でも利益が出せます。
為替で利益が出せるのはその国（中国）が
固定から変動性に切り替わるときで、
その後はその国の経済成長次第で変動していきます。
中国で（他の国でもそうですが、）
今回固定が変動相場制に移行するのは最初で最後のことでしょう。
2004年１月に入り、中国国家統計局の責任者は20日、
2004年中に人民元切り上げの可能性がゼロだと発言しました。

私の個人的な希望としては変動相場制に移行する時期が
遅くなればそれだけいいな、と感じています。
遅くなるほどそれまでに中国株を購入しておけば
為替でも利益が充分に出していけることができるからです。
ですが、そうはいかないでしょうが。
中国株を中国本土Ｂ株、香港株、どちらでもいいですから
変動相場制に移行するまでに購入しておくと
為替でも利益がでることになるでしょう。

＜次回に続く＞