第167回
中国の春節と上場企業
今年の春節の日程は1月19日から28日となっています。
国内の春運(旧正月前後の帰省ラッシュ)の
個人自由旅行解禁による旅行客も徐々に増加してきています。
鉄道、航空および船等の客運業では、
便数を増加して旅客の需要に応えようとしています。
香港でも多くの旅行観光関係者は熱い期待を持って
本土客を待ち構えています。
中国では今後も陸海空の旅客輸送は
増えることはあっても減ることは考えられません。
陸海空関係で香港市場に上場している主な企業を見て見ますと、
広深鉄路(コード:0525)、東方航空(コード:0670)、
南方航空(コード:1055) 、珠江船務(コード:0560)
首都空港(コード:0694) 、中国旅行社(コード:0308)
美蘭空港(コード:0357) 、中航興業(コード:1110)
そして中国本土で上海市場に上場している企業は、
大衆交通集団(コード:900923)、
上海国際旅行社(コード:900929)、
黄山旅行開発(コード:900942)、海南航空(コード:900945)、
深セン市場では、
山東航空(コード:200152)
等が上場しています。
上場企業の中で広深鉄路の場合を見てみますと、
広深鉄路は直接個人自由旅行の恩恵を受けて、
広州―深セン、広州―香港間の直通車を増便しています。
ゴールデンウィークと個人自由旅行という2つの恩恵のもと、
収益上昇が期待できます。
また配当利回りで見てみますと、
美蘭空港の今年の予想配当利回りが4%予想、
珠江船務は5%予想です。
陸海空関係は今後伸びていきますので
周りの環境状況は悪くはありません。
問題は外部から事件がおきたときです。
去年SARSが発生したのを受けて
陸海空関係業界は大きく収益を減らしました。
香港市場に上場している東方航空、南方航空の
2003年度の決算は赤字予想です。
また、上海国際旅行社も旅行客の減少を予測して
2002年度の配当を取りやめてもいます。
私が一番気になるのが
航空業界では航空事故などが発生することで、
墜落事故のこともそうですが、
テロ乗っ取りなどの危険性もあることです。
あと、飛行機は企業にとって高い買い物です。
一機購入するのに何十億円としますので
購入金額を回収して利益をだすのには時間がかかります。
だから航空業界はダメか、というとそうはいえません。
今後中国の航空業界は伸びていきます。
ですが、このようなリスクがある業界だ、ということを知って
納得してから投資を検討するべきです。
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