第166回
第二回目、三回目の上昇時
第二回目の資金ブームは97年のレッドチップブームの時です。
当時大量の中国資金がレッドチップ株の投機に集中しました。
中国国内企業も相継いで上場し、
信用売買による取引も活発に行なわれました。
ブームがピークの97年5月、
北京の窓口会社 北京控股(コード:0392)が新規株式公開し、
1,276倍の申込みとなり話題になりました。
ですが3ヵ月後、
レッドチップの株価はピークから下落し始めていきます。
これにタイから始まったアジア通貨危機が広がってきて、
近隣諸国の通貨は相継いで暴落しました。
香港は米ドルとペッグ制のため、
資産価格が市場システムにしたがって調整されていくのを、
なすすべもなく眺めるだけでした。
第三回目の資金ブームはITが話題になったときです。
アメリカから始まったITブームは香港にも押し寄せ、
多くの企業がITの名前を企業名に載せただけでも
株価は上昇しました。
tom.com(コード:8001)の新規公開募集の時は、
猫も杓子も購入しようとして、
株価は企業の実態を伴わないままに値上りしてもいます。
ですが、このブームも短命に終わり
IT関連の株価は長く低迷し、現在も株価は低空飛行です。
株価が上がる時に企業の実績範囲内で株価が上昇する分には
別になんら問題はありません。
問題になるのは業績の範囲以上に株価が高くなることです。
これは一種のバブルです。
バブルは単なる”泡”ですから
時期がきたら弾けて消えてしまいます。
そのときには株価は常識あるところまで値下がりしますので、
投資した投資家は大きな損をうける事になります。
では現在、香港市場の株がそこまで行っているかというと
いってはいません。
そのような兆候が見える、というところです。
香港H株に関しては少しその兆候が見えます。
その証拠に1月の第三週に入ってH株は大きく下がりました。
短期投資で投資した投資家は
今回の下げであわてて売却した人が多かったでしょう。
今までは株価が上昇していましたから
利益をだした投資家は多かったでしょうが、
いったん逆に株価が下がったときには
大きく損をするのが短期投資の欠点です。
ですが、投資方法としては下がったときが
逆に購入のチャンスでもあるのです。
長期投資でなら今回の下げは一時的と
割り切って見ることができます。
次の第四週に入って
この週も下げると思われていた株価が上昇に転じました。
中国企業の2003年度の決算内容はかなりよくなる、と見られます。
何もあわてて売る必要はなかったのです。
ここに短期投資と長期投資での投資結果がでてきます。
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