第165回
過去10年間の株価上昇時
過去10年の間、香港では3度株価が大きく上がりました。
いずれも投資資金が入ってきて資金市場が出現しました。
資金市場の特徴は、大量の資金が市場に流れ込み
一部の銘柄を購入してくることで、
そのため株価は急激に上昇します。
株価が上がれば上がるほど、
企業収益に比べて割高になりますので
株価にも割高感がでてきます。
ですが、投資家は株価が上がるほどに利益を求め増えてきます。
そして、また値上りを求め株価が上がっていく、
ということになっていき、
次第に市場にバブルが出現します。
バブルは吹けば吹くほど大きくなり、
最終的にバブルが爆発するまで続きます。
第一回目が、93年の7−9月期から
94年の1−3月期に出現しました。
資金市場を振り返って見ますと、
バブルがはじける前、
それまでの市場は91年から93年にかけて
香港はマイナス利率の恩恵を受けていました。
資金は銀行から不動産市場および株式市場に向かって
流れ出ていきました。
そのほかに、米国と日本の資本が新興市場に流れ込み、
株価が上昇していきました。
ハンセン指数の上昇率は93年中に2.16倍にも達しています。
H株第一号の青島ビール(コード:0168)は
絶好の時期に上場したため、売買対象になりました。
その後米国金利は上昇し資金の流れは逆転します。
中国もマクロ調整政策を行い、過熱した経済を冷したために
中国企業の業績は下降していきました。
香港政府も不動産市場に干渉したために
香港株は急落していきました。
94年の中国企業の資金株ブームと
現在の香港株の情況はよく似ています。
まず、資金市場はともに低金利のため、
資金派株式市場へ入ってきています。
また2回とも国内経済の恩恵を受けてもいます。
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