第164回
流入資金
2004年に入り1月の第2週の間までに引き続き、
海外から資金が大量に香港に流入しています。
1月9日立会い終了時の銀行システム残高は
昨年末の283億ドルから、一気に439億ドルに激増しました。
資金の株式市場への流入により、
第二週の1日平均出来高は260億ドルに達し、
一部銘柄の株価は徐々に上昇し、株価に割高感がでてきました。
流入してくる資金の中に中国本土からのお金もあります。
本来はまだ中国本土の証券関係の投資家、
及び個人投資家は香港市場での株の売買は認められていません。
できるようになるのはQDII施行後のことです。
それも基本的には機関投資家のみで
個人投資家は認められない予定です。
ですが、中国の投資家はいろいろな手を使い
香港市場に投資しています。
中国国内資金はもっぱらH株を売買しています。
市場では昨年の4月から10月にかけて、
多くの国内資金がH株の売買で利益をあげました。
そうしてあげた利益はいったん国内に戻り、また香港へ来、
と何度も行ったり来たりしています。
国内資金の最大の特徴は短期性です。
短期で投機し利益があがるとさっさと持ち帰る。
だが、まだ儲かると思えばそのお金は香港市場に流入し、
また短期売買で儲けようとしています。
市場では2003年に大型のIPO(新規公開株)を行いました。
長城汽車、中国財産保険、中国人寿および紫金砿業の上場後、
株価は急上昇し、今は市場に資金が溢れている状態です。
当初新株を購入するつもりで入ったホットマネーは、
ほとんど流出していません。
投資家は今後上場する中国金融株に興味を持ってきています。
こうした状況は国内銀行および保険会社の
H株発行のテンポを加速させるはずです。
これにより金融機関の資本基礎を向上させることができる
環境が整いつつあります。
投資リターンからいって依然として続くドル安と経済の回復速度、
および国内需要の潜在成長を考えれば、
投資家はやはりアジア市場が最高だと考えています。
ですが、今まで大量に資金が流れ込んできた為
今後は昨年ほど大量には流入しないだろうと予測できます。
今後流入してくる資金も限りがあるでしょう。
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