イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第131回
上海振華港口機械への質問から

2001年に受注したクレーンの
ロッテルダム港とハンブルク港向けの販売にからみ
7217万人民元の割引で
なぜ納期が遅れたのかを聞いてみました。

このことについて同社の財務部のPeng氏に尋ねたところ、
ロッテルダム港とハンブルク港向けの
コンテナクレーンの技術の要求が非常に高く、
相手企業との要望の差で
設計段階の時点で時間がかかってしまったことと、
納入後に手直しが発生したために
納入時間に対しての延滞期間の部分を売上から差し引いた、
ということでした。
ですが、技術的には最終的にクリアーしたので
信頼回復に大きな貢献はあったので
今後もヨーロッパからの埠頭から注文は入ってくるであろう、
というコメントでした。

最近の業績が上がってきた理由について
同社のブランド効果があがってきたことがあげられる、
といっています。

現在同社の湾岸機械の占有率は40%ですが、
今後は50%まで引き上げて行く予定です。
同社の社長のキャッチフレーズで言えば、
「世界の港に上海振華湾岸機械の製品あり」
という事にしたいそうです。
今後の受注はオランダ、韓国から受注が見込めています。

同社の売上の95%は海外からの受注です。
海外からの受注が多いのに対して国内は5%にとどまっています。
これには2つの理由があります。

1.海外の受注する湾岸機械は一度に受注する機械の数が多く
  金額的に見ると1回の受注で数十億円になるが、
  中国本土の港湾の受注は機械が1機、2機程度のものが
  まだ多い。このためにコスト的には
  大きな受注を受け持った方が安くつく。
2.今後は中国の湾岸機械の受注が増加してくるであろう。
  この場合、同社は優位な立場にある。
  国内の湾岸機械を完成させて港湾まで運ぶのに
  同社は自前の船を持っており、移動コストも安くできる。

同社は海外の受注を増やしながら
将来的には国内の市場の占有率もあげていく事になるでしょう。
長期的に見れば戦略的には常道でしょう。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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