イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第123回
資産の分散

日本の通貨がアメリカの通貨に対して100円の価値だとします。
中国の通貨で同じ100円分を交換するときに
元が20%きり上がれば
日本円では120円出さないと交換できません。
ここではアメリカドルに対して
日本の円は100円の価値があります。
人民元では120円出さないと交換できませんから
20%分日本円の価値が下がったことになります。

中国の株を購入しておくということは
実は為替でヘッジしているのと同じ効果があるのです。
例えば中国で仕入れた大根を買うのに10円だとします。
この時に中国の通貨が3倍値上がりしたとすると、
今度は10円の3倍の値段の30円が大根の価格になります。
10円出して買えたものが、30円出さないと買えません。
このことをどう考えたらいいのでしょうか。
これは日本円で10円持っていても、
中国では3.3円の価値しかなくなったと同じことです。
ですがもし、中国で10円持っていたときには
この10円の価値は日本円で30円の価値があることになります。

株でも同じです。
中国の通貨が3倍になれば
3倍の日本円を出さないと買うことは出来ません。
日本で預金していて、または日本の株を持っていて、
中国の株を持っていた場合はどうでしょうか。

日本人の立場から見ると
日本円での資産と中国での資産の二つを持っていると
同じ事になります。
通常は外貨での資産というと
海外の通貨での預金を思い浮かべるでしょう。
ですがここでは通貨での預金ではなく、
株という形での資産に変わっただけのことです。
日本円での資産の形成から中国の資産の形成が出来たことになり、
単独ではなく2つの資産に分散できたことになります。
実はこの効果が非常に大きいのです。

株式投資で株価の値上がり益だけではなく、
為替でも利益が出せます。
それ以上に大事になってきているのが
資産の分散が出来ることです。
日本の通貨、円が
アメリカのドルに対して固定されていた時には
1米ドルが360円でした。
その後、変動相場制に変わり1ドルが120円となったときには、
円の価値はアメリカドルに対して3倍値上りしています。

例えば、昔ならコカコーラを1本買うのに
360円出さないと買えなかったのが、
120円の時には360円出せば3本買えます。
つまり中国の通貨、元が3倍になったとしたら
中国人はコカコーラの例で見ると
3本のコカコーラが買える、ということになります。
中国株式市場の株も3倍に価値観が上がるのですから、
同じ株数でも3倍に上がったことと同じです。

ここでまとめてみますと、
中国株を今購入しておくと
元が値上りした時には、株主は株価と配当金でも
値上り分の差益が受け取ることができるのです。

これを流れで見てみますと・・・

中国株を購入する
 ↓
中国企業の成長と株価も上がり、配当金も増える
 ↓
元が値上りする
 ↓
その分株の資産価値が上がる
 ↓
元の値上がり益も株価で授受できる
 ↓
日本の国だけではなく、海外での資産運用の分散
 ↓
リスクヘッジでの運用ができた

という構図ができるのです。

世界の中で今後為替で強くなっていく国を考えると、
今の時点では中国が最有力な候補国です。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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