イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第121回
通貨の変動

日本の円を海外の通貨に換えての預金をする人が増えています。
比較的に信頼のおける国の、
アメリカの米ドルやイギリスのポンド、
オーストラリアのオーストラリア・ドル等
預金金利の高い商品に預金しています。
この場合は日本の通貨が円高の時に
海外の通貨に換えて預金すると
利子とともに為替でも利益が出せます。

例えばアメリカの商品4%の利子がつくものがあったとします。
日本の円が1ドル100円の時に預金して
満期になった時に、日本の円が1ドル120円になっていたなら
100円から120円になった差益の20円と
利子の4%が利益になります。(為替手数料は除く)
逆に為替が120円の時に預金し、
100円の時に満期で受け取った際には
例え4%の利子を受け取っても
為替ではマイナスになっていますので
元本割れになってしまいます。
このようにその国の通貨の値動きの変動によって
大きく左右されます。

株式投資でもその国の市場の株価は
為替でも利益が変わってきます。
香港市場の取引通貨は香港ドルです。
紙幣を発行しているのは、
香港上海銀行、スタンダードチャータード銀行、中国銀行、
の3行となっています。
香港ドルは米ドルにペグ(釘付け)していて、
1米ドル=7.8香港ドル
という固定相場制になっています。
この場合、日本の投資家が香港の株を購入する時には
アメリカの通貨が円高になっているときには
香港の通貨も安くなっていますので、
同じ株価でも安く買えることができます。

では中国本土の通貨の人民元はどうかというと
1米ドルが8.277元
で、ほぼ固定されています。
ですが、今はまだ中国の通貨は
兌換(引き換え、取替え)されていませんので
海外からの投資家は
人民元での取引となるA株には投資できません。

アメリカは
「中国の通貨の価値は低く見られている、
今後は変動相場制にして市場で元の価値を決めるべきだ」
といって強く要望しています。
中国政府も
「将来は変動相場制に移行するが、
まだ時期尚早でその時期がきたら実行する」と明言しています。
もし元の兌換をしたときには
中国の通貨はどうなっていくのでしょうか。
結論からいうと、
今の中国の通貨の価値が上がっていくことはまず間違いがない、
ということです。

それならば、今のうちに中国の通貨で預金しておけば、
将来元高になた時には、
海外の通貨に両替したら為替で利益が出せる、
ということと同じです。
しかし外国人は中国での預金は認められていませんので
この方法は使えません。
では手をこまねいて見ているだけしかないのか、というと
そうとばかりはいえません。
中国の株に投資することによって恩恵を受けることができます。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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