第110回
強くなる元の価値
発展していく国の通貨は強くなっていきます。
日本もかつて、日本の円が固定相場のときは
1ドルが360円でしたが、
変動相場制に移行したあと上がっていき
1995年には80円にまで円の価値が上がりました。
中国の通貨、元も
最終的には日本と同じような道筋をたどっていくでしょう。
ではここから中国の株を購入していく、ということは
外国の投資家にとって有利なのでしょうか、不利なのでしょうか。
外人(日本人)が、中国の株を売買する時の通貨は
香港市場と深センB株市場では香港ドル、
上海B株市場はアメリカドルです。
このときに考えたいのは
中国の通貨が上がっていくときに、
企業の価値が株価にいくらで反映されるか、ということです。
たとえば中国の通貨が、2割切り上がったとしたなら
単純に考えれば
日本の通貨が2割の円高にならない限りは
釣り合いが取れません。
円がいまの価値のままなら
2割多く円を出さないといけなくなるでしょう。
では中国人が
香港市場、本土B株市場の株を購入していたとした場合、
香港市場、本土B株と同時上場している株価が
A株と同じようなときはどうなるでしょうか。
元に切り替えて購入しておけば、
2割の元高のときは2割分高くなりますから、
同じ銘柄なら中国の市場の株を買っておいたほうが得となります。
しかし、本土市場の株価が2割高になったとしたら
その分香港市場、B株市場の株価も
2割分上昇していくことが考えられます。
ですからここでつり合いが取れるでしょう。
今中国株を購入しておく、ということは、元兌換時までに
中国株の値上りをも見越して購入しておく、ということになり、
持ち株の中に、将来の元の切り上げ分も
含まれていることと同じです。
つまり今中国の株を購入しておけば、
将来の元高の分も取れることと同じだと考えてもいいでしょう。
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