第109回
元の価値
中国は元兌換させる前に
国有企業の改革を進め
海外の企業と競争できるまでに発展させておきたい事情と、
中国の四大銀行の不良債権の問題をかたづけ、
株式市場に上場させたいと考えています。
特に中国の四大銀行は
2005年をめどに上場させたい意向ですので
そこまでは元の兌換をしたくはないでしょう。
ではもし、元兌換が行われたとしたなら、
海外の投資家には
どのようなメリット、デメリットが出てくるのでしょうか。
いま中国の通貨・元は
1米ドルに対してほぼ8.277元で固定されています。
ほぼ、というのは
実際は、元は完全に米ドルと固定されている訳ではなく、
為替管理制度という制度をとっており
管理変動相場制となっています。
これは中国が基準レートを公表して、
その基準レートに基づき
値幅制限の範囲内で売買が行われています。
この範囲内で取引が行われているために
ほとんど値幅は動きません。
ですからほぼ固定相場である、ということがいえます。
元はいまの時点で評価は違いますが、
2割、4割安いといわれています。
(この評価は国によっても、
評論家の間でも意見が分かれています。)
ですが元の価値が安い、という意見では一致しています。
実際は、外国人が
中国での銀行に預金することは認められてはいないのですが、
中国に行った際に
中国の銀行に元預金をしている人達がいます。
私の回りにも元預金をしている人が数人います。
2003年の半ばまではこのようなことが簡単にできました。
中国に行った時に
中国の銀行に元預金しておくということは
将来の元高を見越しての預金でした。
しかし、最近は
このような元預金をすることが難しくなってきています。
中国当局の監視が厳しくなってきているのです。
中国人自身でも、今までは元の価値を評価しておらず
隙があったなら外貨の通貨、
主に米ドルに替えて持ちたいと思っていました。
ですが、最近は元の価値が見直され、
今度は自国の中国の通貨で持ちたいと思うようになってきました。
<次回に続く>
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