第111回
H株指数先物 12月8日開始
香港証券取引所(コード:00388)は
12月8日からH株指数先物を売り出すと発表しました。
香港証券取引所営業総裁 パトリック・コンロイ氏は、
中国経済は引き続き急速に拡大成長しており、
機関投資家、個人投資家を問わず
中国関連の商品に対する関心が増していると分析していますし、
私もそう思います。
取引所としては今後も多くの中国関連商品を研究し、
販売していくつもりだと語っています。
2003年11月現在、今年初めからのH株指数は
現在まで94%も上昇しています。
H株指数を構成する銘柄は合計32銘柄で、
時価総額は2,399億ドルに達しています。
香港市場の最初の先物商品の取引ができたのは1986年に遡ります。
香港市場は1986年に初めてハンセン指数先物が出ると
この商品は世界第二位の売買量(枚数で計算)を誇る
先物となった事があります。
ですが、1987年に世界的な株式市場の暴落に遭遇し、
1987年10月1日に3950ポイントだったハンセン指数は、
同年12月7日には1895ポイントまで下落しました。
その下落幅は52%にも達しました。
またレッドチップ指数先物が
1997年6月16日に売り出された事があります。
その当時は発売後まもなく
タイから始まったアジア通貨危機が発生しました。
レッドチップ指数先物の売買高は徐々に減少し、
香港取引所は当時あっさりと
この商品を引っ込めてしまったことがあります。
ハンセン指数も97年8月7日の16820ポイントから、
98年8月13日の6545ポイントまで下落し、
61%もの下落率となりました。
その他にIT株指数も出されてから暴落に遭遇しています。
このように香港市場では
さまざまな指数先物が売り出されるたびに
暴落に遭遇してきた経緯がありました。
今回のH株指数先物も
同じ轍を踏むのではないかという懸念があります。
では今回H株指数先物は同じ轍を踏むのでしょうか。
■PERとは
年間一株利益に対して
株価が何倍で買われているかを表した数字です。
例えば、一株利益が10円の時、株価が100円なら
100÷10=10になり、10倍ということになります。
つまり、10年分の利益が今の株価だということになります。
この数字が少ないときには
株価は安くなっていて株価が上がる余地がある、
という計算になります。
が、人気のある銘柄や市場が高騰している時などは
市場全体の株価が高くなっており、PERも上がってきています。
また、PERが安い企業だからといって安心しては買えません。
PERが安い銘柄にはそれなりのわけがあります。
PERは投資判断の一つとして使われます。
<次回に続く>
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