第47回
私企業への投資
分散投資の極意≪その6≫
中国株の中でもP株(私)企業という会社が存在します。
P株企業とは中国企業の民営化企業のことです。
まず、香港の中国上場企業を大きく分けると、
H株、レッドチップ株、
GEM株とP株に分けることができます。
H株とは、H株の「H」は「Hong Kong」の頭文字です。
主に道路、電力、鉄鋼など
重厚長大型の国有企業が多く上場しています。
一方、レッドチップは
中国資本が35%以上を占めている上場企業で、
香港またはバミューダ、ケイマン諸島などの
タックスヘイブンで登記されている香港上場企業です。
GEMは店頭企業で上場基準がゆるく
小型企業が多く上場しています。
H株、レッドチップ株、GEM株の企業は
中国国営企業の子会社が上場しているのが特徴です。
一方P株企業は民営の資本家が上場した会社で
まだ上場して間もない企業で占められています。
P株企業で有名なのは超大現代農業(コード:0682)、
ワーサン.ガス(コード:8035)等です。
P株企業の特徴としては
比較的に高い成長率で発展する企業ということで
株価も一時は高く買われました。
ですが問題も発生しました。
超大現代農業の例でいいますと
同社は有機栽培農業、牧畜管理業等を行い、
野菜、果物の販売で売上げの9割を占めています。
同社の特徴は農業分野での企業ということと、
収益率の高さが特徴で利益率は70%にものぼっています。
同社の行っている部門の中の
有機野菜部門で作っている野菜の種類は130種にのぼりますが
昨年調査の結果その中で有機野菜と認められるのは
14種類だけでした。
この情報に投資家が同社の株を売り、
特に機関投資家の投資ファンドは
このような情報には極めて機敏に反応しますから
投売りし、持ち株のほとんどを売却しました。
その後も会計疑惑などの情報が流れ、
会社は全面否定しましたが株価は去年の高値、
3香港ドルから今は半値の1.5香港ドルにまで下がっています。
私企業の場合には情報開示がどこまで行われているのか、
という疑問が生じたのです。
ではこのような私企業を
分散投資の中の銘柄に加えてもいいのでしょうか。
(次回に続く)
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