第19回
株式配当(無償株)に対する正しい考え方
企業は営業で利益をあげた時には
株主に対し利益の還元方法として配当金を出すほかに
利益の分を株式配当として株主に還元する方法があります。
長期投資で資産家になるとしたら
株式発行を多く出す企業に投資するのも有効な手段です。
戦後日本の松下、ソニー、セブン・イレブン・ジャパン、
セコムなどの企業の株を、上場したときに購入したとしても
株価の値上りだけでは1億円以上の資産ができたかは
疑問が残ります。
各企業は利益の還元として
株主に多くの株式発行を行ってきました。
例えば昭和30年(1955)にソニー(当時社名:東京通信工業)の
株価は一株140円程度でした。
1000株購入するには14万円というお金が必要でしたが、
当時の大学卒業の初任給が、約1万3千円ですから
約10ヶ月分の給料です。
これは、一般家庭においては用意できない金額ではありません。
もし、この時14万円でソニー株を購入していて、
その後有償、無償の権利を実行した場合
平成12年(2000)の資産を計算すると26億円にも膨れ上がり、
その投資効率はなんと1万8500以上にもなっていました。
ですが現金だけで1万8500倍になった訳ではなくて
その間の株式配当を見てみると
1000株が15万5925株にまで増えています。
つまり、株数が約156倍に増えたということです。
もし株式配当がなく、
株価の値上りだけを見ただけなら
1660万円程度にしかなっていないのです。
もっとも株式配当を出していなかったら
株価はもっと高かったのでしょうが、
その計算はここではしません。
しかし株式配当の力の凄さを実感できるケースでしょう。
他の例として私が面白いと思ったのに
アメリカのコカコーラ株のケースがあります。
いまから約50年前のアメリカの小さな貧しい農村の話です。
これといって資産らしい資産もなかった人々が
利殖の方法として考えついたのが株式投資でした。
もちろんお金がなく多くの株は買えません。
ですがなんとかその村では
コカコーラの株を1株ずつ全員が購入しました。
1株がその当時で
数セント(当時の日本のお金で30円くらい)でした。
コカコーラ社はその後世界に進出し、成功を収めました。
当然1株の株主も恩恵を受け、株式配当と株価の値上りで
1株の価値が今では10億円にもなりました。
村人全員が10億万長者になったわけです。
このようなケースは長期投資による
株式配当での資産の増大の実際の例でしたが、
何十億といわず1億程度なら
ここまでの時間を要しなくても達成できます。
資産を造る本道として株式配当は無視できない存在です。
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