| 第4回9割の幸せ
 
 私がいままでやって来た仕事は大きく分けると
 漫画家時代、サラリーマン時代、イラストレーター時代です。
 サラリーマン時代には日本株売買を行っており、
 この利益が私に大変役にたちました。
 91年、イラストレーターとして独立する前に、
 ひとつだけどうしてもやっておきたい事がありました。
 それは持家のローン返済でした。日本株の利益を全部家の繰上げ返済にまわし、
 完済してから独立しました。
 (日本株の利益は3000万円程度だったと思います。)
 なぜ家のローン返済かというと、
 雨露凌ぐところが借金なしで確保できれば、
 生きていくのには生活費を稼げればいいのですから
 昼夜問わず絵を描いて行けばあとは何とかなるだろう、
 という思いからでした。
 ですから原稿料が入ったところで
 家族で海外旅行に出かけたとしても何とかなっていたのです。
 家のローンが残っていたなら
 まずはそちらを最優先に支払いますから、旅行ができたかどうか、
 いくらノーテンキな私でもむずかしかったと思います。
 最終的には株の利益が私の人生の自由度を広げてくれました。人はある程度のお金、または資産ができると心に余裕ができ、
 仕事にも余裕が持てます。
 サラリーマンならリストラされたとしても、
 生活していけるだけのお金が手元にあれば
 リストラにおびえる必要もないわけですから
 精神的にすごく楽になります。
 人には幸せになる権利がある、と思いますので
 その為にもお金は必要です。
 「武士は食わねど高楊枝」では借家を追い出されたら
 路地暮らしですし、病気で病院に運ばれたとしたら、
 結局他の人に迷惑をかけてしまいます。
 せめて、自分のことは自分で何とかできる、
 生活できるお金があれば
 人生9割以上の幸せを手に入れたも同然だと思います。
 そのお金を作るためにも投資を行うことは
 ひとつの手段だと思っています。
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