第2回
他人の意見と投資の決断
私が中国株式市場を始めて知ったのは1994年の9月頃でした。
経済新聞に中国株式市場の紹介が載っており、
その記事に私の目がくぎづけになったのを憶えています。
中国株式市場は1990年より開設されていたのですが、
私が知ったのはこの時でした。
その当時の私が知っている中国といえば、
中国経済の経済成長率の高さくらいのものだったのですが、
共産主義国家に株式市場、、、、、
これは中国でなにか大きな出来事が
起きているのじゃあなかろうか、と思い
早速調べることにしました。
その頃は東京の御茶ノ水というところに
事務所を友人と構えており、
神田の古本屋街のすずらん通りまで
事務所から50メートルという近さでした。
中国書物専門の内山書店や大手の本屋をめぐり、
中国経済に関する資料を買い込み調べた結果、
中国経済は今後発展していき、
中国株式市場も将来的に有望な市場になる、
と確信めいたものが生まれました。
その後上場している中国企業を調査し、
大手の証券会社で中国株を購入したのですが、
当時の日本のエコノミストの
中国株式市場を見る目は冷たいもので、
危険な市場、企業の情報開示もろくにされておらず、
いつつぶれてもおかしくない市場というものでした。
中国国家自体の評判はもっと最悪で
中国崩壊論等の本がベストセラーになり、
つい最近までこのようなタイプの書物が出ていました。
当時、中国の将来を明るく展望していた方は
作家の邱永漢氏だけだったように思います。
今では個人投資家の人数は2002年末で5万人と増えましたが、
その当時は1000人もおらず、
日本の投資家は300人程度だったと聞いています。
もし、私が中国株に初めて投資しようとした当時、
エコノミストの意見に従って投資をやめていたなら、
実際中国株で利益をあげているいまの私は存在しませんでした。
株式投資で大事なのは自分で投資銘柄を調査し、
他の意見を聞くのも大事で無視することはありませんが、
最終的に確信がもてたら
他の人がなんと言おうと自己判断で投資する決断も大事です。
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