失敗して店じまいをした事業もあるが、案外うまく軌道に乗って順調に伸びている事業もある。うまく成功した話はあまり人の参考にならないし、また自慢できるほど成功した話もたくさんあるわけではない。
ただ私の場合は、仕事がうまくいかなければ、むろん、仕事をやめてしまうが、うまく成功しても、同じように夢から醒めてしまう。したがって成功に酔っているヒマはあまりなく、一つの夢から醒めると、また性懲りもなく次の新しい仕事の可能性に向かってファイトを燃やすことになるのである。
ところで、日本の企業が第二の拠点として進出した韓国や台湾から引き揚げるということは、日本がそれらの拠点からアメリカやその他の先進国に攻め込むことをやめて、直接、それらの先進国に乗り込める条件を備えるように変ってきたということにほかならない。省エネと自動化という切り札によって国際競争力を持つようになった日本の産業界は、もはや以前のように、アメリカに乗りこんだ場合、あの職能別労働組合にいじめられたり、また下請け企業からの部品調達のことで心配する必要がなくなった。自動化することによってたくさんの人を使わなくてすむようになったし、下請けの海外進出も容易になったし、これらのトラブルから解放される見込みがついてきたからである。
とすると、これからいよいよ日本企業の本格的なアメリカ攻略がはじまるぞ、と私は思った。そう思った途端に、私は台湾で受けた傷の痛みも忘れて、もう心は早くもアメリカに向かって走り出していた。
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