第345回
「養生法の大原則」
「いつも身体がだるい、食欲が出なくて困る」
夏場にスポーツなどで大量に汗をかくと、
こうした症状
すなわち夏バテが非常に起こりやすくなります。
どうして、大量の汗をかいたら
夏バテがひどくなるのかといいますと、
汗と一緒に多量のミネラルが失われるからです。
特に、カリウムが不足すると、
骨格筋や心臓の筋肉に
悪い影響を及ぼすだけでなく、
内臓の筋肉の収縮力も低下してしまい
胃や腸の動きがままならなくなって
腹部膨満感、嘔吐、便秘、
食欲不振などの症状が発生しやすくなります。
最近、バナナの話ばかりが続き
まことに恐縮ですが、
バナナはカリウムが非常に多い果物で、
100グラムあたりの量を調べてみると
バナナ 390mg、いちご 200mg、
みかん 150mg、りんご 110mgというふうに、
ダントツのカリウム含有量を誇ります。
“真土不二”とよばれる
「人間は、自分が生活する
環境の範囲内で食べ物を調達すべき」
という有名な養生法の大原則がありますが、
簡単に説明しますと、
地元で取れた食べ物を摂らなければ
その風土に合った
本当の身体造りは出来ないという意味です。
つまり、汗をよくかく南国の人々には、
りんごのように
寒い土地で取れる食べ物よりも、
バナナやスイカ、瓜などのような
カリウムを多く含んでいる
南国原産の食べ物のほうが
身体にとって
相性がよいということになります。
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