第344回
「魔法の精力剤」
「レース前に、○○○を与えると成績がよくなる」
これは競馬界で密かに囁かれている話です。
何を馬に与えると成績がよくなるのかといいますと、
答えは残念、ニンジンではなくて“バナナ”です。
20年ほど前に行なわれた
ロサンゼルス・オリンピックでも、
アメリカ選手団が効果的にバナナを食べて
大量のメダル奪取に成功したのは、
スポーツ界では有名な話になっています。
なぜ、ありふれた果物であるバナナに
そういったパワーが隠されているのかといいますと、
それはブドウ糖・ショ糖・果糖の
3種類の糖分がバランスよく含まれているからです。
これらの糖分は、構造上の違いによって
体内に吸収される速度に
比較的大きな時間差があるため、
バナナを食べてから15分〜2時間ほど
血糖値が安定した状態が続いてくれるわけです。
つまり、血糖値の面からみると、
バナナは即効性と持続性の
両方を兼ね備えたすぐれもので、
スポーツ用語でいえば
瞬発力と持久力を増す食べ物
ということが出来ます。
私は年に数回、馬肉や馬刺しを
熊本から取り寄せて食べることがありますが、
牛肉や鶏肉に比べて
馬肉は甘味が非常につよく、
特に赤身の部分などはフライパンで焼くと
砂糖がまぶしてあるような味にさえなります。
こうした現象もよく考えてみると、
馬の筋肉に瞬発力と
持久力が十分備わるように
糖質がたくさん蓄わえられている証拠にほかなりません。
|