第314回
「ダテに年は取らず」
最近、日本では
テレビや新聞などのコマーシャルに
人気のある映画スターやテレビタレント、
スポーツ選手などを起用することが
非常に流行しているようですが、
私はそれらのコマーシャルを見るたびに
ポール・ニューマンという
アメリカ人の映画俳優を思い浮かべます。
ポール・ニューマンは
アクターズスタジオ出身の
演技派俳優でありながら、
多くの客を呼べる人気俳優でもありました。
しかし、いくらたくさんのギャラを積まれても、
テレビや新聞などのコマーシャルには
彼は絶対に出演しようとしなかったそうです。
なぜなら、ただお金をもらうために、
自分が使ってもいない、
また本当に愛用したいとも思わない
商品の宣伝をすることが
彼にはどうしてもできなかったからです。
「オピニオン・リーダーを自任する人が、
身につけたこともない腕時計とか
飲んだこともないウイスキーの宣伝なんぞ
やるべきではありません。
本当に推薦したいなら只でやるべきだ」
とはQ先生のお言葉ですが、
ポール・ニューマンも
まったく同じような考えであったようです。
その証拠に、彼が出演した
人生で唯一のコマーシャルは
人道支援的な題材のものでありましたし、
ギャラはおろか交通費などの
諸経費さえも要求しなかったという
エピソードも残っております。
現在も、Q先生やポール・ニューマンは
老若男女を問わず
多くの人たちから支持されていますが、
その一番大きな理由は
目先の利益に左右されない
こうした生き方にあるのだと私は思っています。
追伸
お二人は同い年だったように
記憶しているのですが、
確かにダテに年は取っておられませんね。
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