虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第310回
「免疫力を増やす食べ物」

我々、日本人の頭の中は
いつのまにか物事の肝心な部分が
見えにくい構造になってしまい、
自分で考えることが
ほとんど出来なくなってしまったようです。

先日、NHKのテレビで
「食べて治す」という題名の番組を
1時間近くに渡って放送しておりましたが、
その内容はあまりに当たり前の話でした。

病気を治すには
薬だけでなく食事が大切である、
といった内容の趣旨でしたが、
そんなことはすでに
何百年も前から分かっていたことです。
現に日本や中国でも、「医食同源」とか
「薬食同源」などという漢方の考え方があります。

また、免疫力を増やすのに
食べ物が大切であると述べておりましたが、
免疫細胞を構成している成分が
主にタンパク質であることを考えれば、
そうしたことに
今まで気づかなかったほうがよほど問題です。

例えば、現代医学では
血圧が高いと年齢に関係なく
どうしても血圧を下げようとしますが、
高齢者では動脈硬化が進んで
血液が流れにくい状態になっていますから、
やみくもに血圧を下げるのは
三段論法的にいえば、
血液の循環が悪くなって
脳梗塞にかかる危険性が増すことにも通じます。
つまり、注意すべきとされている高血圧でさえも、
その方の年齢や身体の状態によっては
必ずしも悪いものとは限らないというわけです。

現在の日本では、
こうした自分の頭でちょっと考えれば
分かるようなことが意外と多く、
見落とされている感じがします。
番組で紹介された、医師や看護師、
栄養士、理学療法士、薬剤師たちの皆さんが
食養生の基本を積極的に治療に取り入れている病院では、
院内感染の割合いが40%以上も減少し
患者さんの入院日数も
大幅に短縮されたそうですが、
そうした病院が全国でもっと多く増えてほしいものです。


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