虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第309回
「不治の病い」

自分が運がいいと思う人と
運が悪いと思う人の心理分析をして、
運を鍛える4つの法則を提唱している人の話を
先日、Q先生もコラムで書いておられましたが
まったくその通りだと思います。

特に4つの法則の中に、
「運のいい人は、将来に対する期待が
 夢や目標の実現を促す」
というものがありましたが、
これは医療の現場においても
非常に説得力のある言葉です。

例えば治療が難しい患者さんに対して、
経験の浅い医師や思慮の足らない医師たちは
すぐに告知しようとしますが、
治療経験が豊富で思慮深い医師は
余程のことがない限り、
そういう行動は取りません。

なぜなら、
患者さんの希望を失わせるような話を
はじめからしてしまうと、
治る可能性が極端に低くなって
患者さんのためにならないことを
経験的に彼らはよく知っているからです。

「病いは気から」というように、
気の持ち方ひとつで
患者さんの状態がよくなったり、
悪くなったりすることが確かにあります。

ですから、
調子のよいことばかり話す
というのも問題ですが、
患者さんの希望を根こそぎ奪うような
話の仕方もやはり慎むべきだと思うのです。

※19世紀までは
  前立腺肥大や尿路結石などの病気も
  いわゆる「不治の病い」でしたが、
  現在では医学が進歩して
  生命に関わる深刻な病気ではなくなりました。
  このように難しい病気とされていたものでも、
  治療可能になることが実際、少なくないのです。


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