虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第301回
ドーナツで、風邪薬は効き目が消える?

市販されている風邪薬や痛み止めと
ドーナツを一緒に取ると、
効き始めるのが遅くなったり、
効き方が弱くなったりすることがあります。

なぜなら、ドーナツの糖分と、
風邪薬や痛み止めに含まれている
解熱鎮痛成分のアセトアミノフェンとが
くっついてしまって、吸収が邪魔されるからです。

そのため、薬が
なかなか効いてこなかったり、
効きめが弱くなったりするトラブルが
このところ割り合い多く、
女性や子供たちの間で発生しています。

また、このトラブルは
糖分が原因なわけですから、
ドーナツだけでなく、
アイスクリームやケーキ、ぜんざいなど、
糖分が多く含まれる食べ物で
起きている可能性があります。

特に注意したいのは、
風邪薬を栄養ドリンクやジュースなどの
清涼飲料水と一緒に飲まれる場合です。
なぜなら、リポビタンやリコリス、
ユンケルなどの栄養ドリンクには、
角砂糖5個分前後の糖分が含まれていたり、
果汁100%のジュースや
ポカリスウェット、アクエリアスなどにも
同量かそれ以上の糖分が含まれているからです。

液体と固形とでは
胃での滞留時間に差があるため、
はっきりとは申し上げられませんが、
風邪薬などと糖分の多いものは
1時間以上、間隔を空けて
別々に摂られるほうが無難だと思います。

※風邪薬や解熱鎮痛剤を飲むときは、
  なるべくコップ1杯の水か、ぬるま湯でお飲み下さい。
  また、ドリンクやジュース、ケーキなど
  糖分の多いものを摂りたい場合は、
  風邪薬や解熱鎮痛剤と
  1時間以上の間隔を空けて下さい。


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