第268回
「アインシュタインの有名な言葉」
昔から、動物性の油と植物性の油と
どちらのほうが身体によいのかという議論が、
いろいろなところで行なわれてきました。
通常、動物性の油というのは融点が高く、
人間の体温の範囲内では
溶解せずに固体の状態を示しています。
しかし、植物性の油は融点がかなり低く、
同様な温度条件では常に液体の状態を保ちます。
そのため、動物性の油を摂取すると、
脂肪分が固まりやすくなって
動脈硬化が進行するという理屈で、
動物性の油は身体に悪く、
植物性の油のほうが身体によい
というふうに長い間思われてきました。
また、魚類の油も植物性の油と
同じように融点が低いため、
動物性の油より身体によいとされてきました。
ところが現在では、
アラキドン酸という動物性の油に
多く含まれている物質は
通常では血小板の凝集力を高めますが、
血管内皮の細胞に取り込まれると
逆に血小板の凝集を抑制して
動脈硬化の進行を予防する
働きを持っていることが判明しています。
また、ニンニクは血小板の凝集を抑制し、
血液をサラサラにする食品と
盛んにテレビや健康雑誌で宣伝されてますが、
逆に、交感神経を刺激し
アドレナリンの放出を活発にして、
血小板の凝集を高める
働きがあることも分かっています。
「自然は老獪である」とは
アインシュタインの有名な言葉ですが、
自然がつくりだしたものは、
最終的には、ちゃんと帳尻が合うように
上手くできていることが本当に多いものですね。
※現在、世界中の製薬会社は、
血小板の凝集を抑える
薬を競って開発していますが、
血小板の凝集を助ける
薬を開発している会社の話は
ほとんど聞いたことがありません。
よく考えてみれば、両方とも、
人間の身体にとって
重要なものに思われるのですが。
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