第263回
「健康診断、よくある落とし穴」
健康診断で白血球や赤血球などの
臨床検査の項目の値が
すべて正常の範囲内にあっても、
病気になったという人は大勢います。
また逆に、検査項目の値が
異常値を示していても、
健康だという人もたくさんおります。
なぜなら、正常値というのは
あくまで一つの目安になるだけで、
すべての人にいつでも当てはまるとは
限らないからです。
例えば、白血球を計る検査機械では
通常、3000〜8000ぐらいが
正常範囲とされています。
しかし、普段の状態で4000の人が
急に7500になった場合は、
いくら正常範囲内でも
身体に感染症や炎症性疾患など
何らかの異常が起こっている可能性があります。
また反対に、白血球の数値8000が
通常の状態の人なら、
仮に正常値を超える8500あったとしても、
それほど心配をする必要はないというわけです。
つまり、病気に罹った時だけでなく、
健康な状態での白血球や赤血球などの
臨床検査の値を調べておくことは、
自分の身体の健康の度合いを知る上で
非常に有意義で大切なことだと言えます。
現在、漠然と健康診断を受けていたり、
臨床検査の数値に一喜一優しているだけの方が
非常に多いように見受けられます。
しかし、臨床検査の数値の
正しい応用の仕方を知っていれば、
数字に振り回されることもなく
余裕を持って体調管理に利用することが出来ます。
それが今回、筆を取らさせて頂いた大きな理由です。
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