第226回
「行っていい店、わるい店(薬局編)」
一般に、肩こりは生命に危険のない
比較的簡単な症状だと考えられていますが、
高血圧・心臓病・目の病気などが
原因となって起きている場合があります。
また、腰痛や坐骨神経痛などでは、
ガンの転移が
痛みの原因となっていることもあります。
したがって、ある程度治療しても
痛みがなかなかよくならない場合には、
整形外科だけでなく
内科や婦人科などの受診も必要になります。
以前、肩こりで整体や整骨院に
何年も通っておられた方が、
症状がなかなか改善しないので
腕のいい整形外科の先生を紹介して欲しいと、
知人を通じて
電話をかけてこられたことがありましたが、
病院に行ってもらった時点で
もうすでに肺ガンの末期で
手のつけられない状態でした。
年齢も40才ぐらいとまだ若く
残されたご家族のことを思うと、
せめて半年ほど早く
通っていた整体や整骨院の方が
病院で検査することをすすめていたら、
もう少し何とかなったのではないか
という気が今でも心の奥底に残っております。
これは薬局にも言えることですが、
患者さんの症状によっては
病院で診てもらうことをすすめることも
医療に関係する職業の場合、
非常に重要な仕事です。
勉強している薬剤師や医師ほど、
自分のところで出来る範囲を心得ています。
また、医師の場合には
紹介料を貰える制度がありますが、
薬剤師にはそんな制度はありません。
しかし、薬剤師として、
たとえ利益にならなくても、
面倒でも、患者さんに煙たがられても、
どうしても伝えなければならないことがあります。
もし、あなたのお近くに
そうした無償の行為をしてくれる
薬剤師さんがおられたら、
その方は本当にあなたのことを
真剣に考えてくれているわけですから、
煙たがらずに
感謝することはやはり必要でしょう。
薬や健康食品を電気製品のように
大量陳列、大量販売することだけが、
薬局の仕事ではありません。
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