第225回
よく効く薬の有効率は、何%?
「○○○を飲んだら、
ひざの痛みや腰痛が治った!」など、
漢方薬や健康食品の体験談を載せた広告を
最近よく目にします。
しかし、慢性のひざや腰の痛みは、
筋肉が弱ったり血の流れが悪くなったり、
骨や軟骨などがすり減ってきたりして
総合的に痛みが出ている場合がほとんどですから、
何の養生もせずに
薬や健康食品を飲むだけで、
痛めた部分が回復することは
本質的にありません。
よく考えてみれば分かることですが、
痛みは決して悪いだけのものではなく、
「その部分が傷んできてますよ、
気をつけてください!」
という、身体の注意信号でもあるのです。
それを忘れて対処の仕方を誤れば、
返って症状をこじらせることになってしまいます。
例えば、鎮痛剤や痛み止めの配合された
座薬・湿布などを毎日のように使って
痛みだけをごまかしている人がおられますが、
そうしたことを長く続けていると
痛めた部分の状況が次第に分からなくなって、
逆に状態を悪化させたりするのはよく聞く話です。
こうしたことは、
ひざや腰の痛みを治療する上での
大きな盲点の一つで、
何も対策を考えず続けておれば
結局は手術を受けなければならなくなります。
ひざや腰の手術は、
一般の方が考えている以上に
複雑で大変なもので、
年齢が高くなるほど
手術も難しくなり危険性も当然ながら増します。
現在、どういう治療を受けているのか、
ご自分の状況をよく考えて
養生にも気を配ることは、とても重要です。
※少し余談になりますが、
抗生物質のようなよく効く薬でも
その有効率は70%ぐらいと言われています。
それも完全によくなった率ではなく、
ほんの少しよくなった場合も含めてのことです。
現代の医学でも東洋医学でも万能ではなく、
まだまだ研究や改良の余地は多く残されています。
|