服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第929回
若々しい万年筆

緑色のカーネーションを見たことがありますか。
ふつうカーネーションは
白、ピンク、赤などが多い。
でも、19世紀のむかし、
英国の作家、オスカー・ワイルドは
わざわざ緑色のカーネーションを作って、
襟元に挿して歩いたそうです。
ついでながら、白いカーネーションを
緑色のインクにつけておくと、
グリーン・カーネーションに仕上るとのこと。

緑が好きか、嫌いか。
これもまた好みというものでしょう。
けれども英語のグリーン(green)には
「若々しい」とか「青色とした」の意味があります。
たとえば“グリーン・クロス”は
「通学路」を指すことがあります。
“グリーン・チーズ”は
「まだ熟していない若いチーズ」。
“グリーン・クリスマス”は
「雪のふらないクリスマス」のことです。
もちろん良い意味ばかりではありません。
“グリーン・アイズ”といえば、
「嫉妬」の意味になります。
まさに眼の色が変るということなのでしょうか。

ところで着こなし上でのグリーンは
黒によく似合います。
一例を挙げるなら、
黒いスーツやジャケットを着て、
グリーンのポケッチーフをあしらうのは、
とても効果的です。
あるいはグリーンのスェーターの黒のブルゾン
という組合わせ方もあるでしょう。
かなり鮮やかなグリーンであっても、
黒に合わせることで、
不思議にしっくりと落着いてみえるのです。

話は変りますが、
グリーンの万年筆を見つけました。
ペリカンの「ペリカーノ・ジュニア」です。
お子様用ということなのでしょうか、1,260円!
「三省堂商店」(TEL:3292-2200)で発見。
しかもちょうど良いことに
グリーンのインクも用意されています。
ただしインク壜ではなく、
カートリッジ式ではありますが。
緑の万年筆に緑のインクを入れて、
黒いジャケットの胸ポケットにでも
挿しておきましょうか。

ついでながら
「ペリカーノ・ジュニア」には
私の大好きなピンクのインクまで揃っています。
何に、どう書こうかと、今、考えているところです。


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