服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第877回
美しいショート・パンツの着こなし

ショート・パンツはお好きですか。
半袖シャツにはまったく抵抗はないけれど、
半ズボンとなると
なぜか臆病になってしまう。
誰しも似たような気分があるのかも知れません。
マラソンの選手、サッカーの選手、卓球の選手・・・。
動きの激しいスポーツのユニフォームは
まず例外なくショート・パンツです。
やはりそれだけ機能的にも優れているのでしょう。

私たちはふだんの生活のなかで
激しい動きをするわけではありませんが、
長いズボンに較べて
たしかに短いズボンのほうが涼しい。
時と場合によっては
ショート・パンツが上手に穿けたらなあ、
と思います。

紳士の間でショート・パンツが
流行るようになったのは、
1930年代のことでしょう。
暑い場所でゴルフを愉しむには
ショート・パンツで良いではないか、
と考えられるようになる。
ここからさらに用途が拡って、
夏の日の散歩に最適であるとされるようになる。
これが“ウォーク・ショーツ”で、
1940年代のことです。
ウォーク・ショーツは
いわゆるバミューダ・ショーツと
同様のものと考えて良いでしょう。

さて、ショート・パンツを美しく見せるには、
ちょっとクラシックに穿く。
たとえばしかるべきベルトをきちんと締める、
しかるべき靴下をちゃんと履く、といった風に。
こうすればだらしない印象にはならないでしょう。
そしてもうひとつは
ショート・パンツのシルエットを見極めること。
レングス(長さ)も大切ですが、
シルエットはもっと大切です。
大きく分けるなら、
タイト・フィットとルーズ・フィットと。
細身のショーツなのか、
ゆったりとしたショーツなのか。

スリムなショート・パンツには、
ややゆとりのあるシャツを合わせたほうが良いでしょう。
逆にルーズなショーツには
比較的フィットしたポロ・シャツなどを組合わせる。
これは単にシルエットだけでなく、
色についても
はっきりとコントラストをつけた着こなしのほうが
美しい姿に仕上げてくれるのです。


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