| 第738回世界でった一着のトレンチ・コート
 トレンチ・コートはお好きですか。好きか嫌いかはさておき、
 それが似合う人とそうでない人がいることは、
 まず間違いないでしょう。
 ジャン・ギャバン、ハンフリー・ボガード、
 リノ・バンチェラ・・・。
 トレンチ・コートを着て、
 それがしっくりと様(さま)になるなら、
 なぜか一人前の男という印象があります。
 こればかりは男の年輪ともいうべきものが必要のようで、
 大人の男にこそ着てもらいたいコートです。
 むかし三島由起夫は黒のトレンチ・コートが好きで、
 それをわざわざ註文して仕立てさせ、
 愛用したとのことです。
 なにも三島由起夫を気取ろうというのではありませんが、
 私もいつかは黒のトレンチ・コートを註文してみたい。
 下に組合わせる服装も問わないだろうし、
 時と場合によっては
 タキシードの上にだって羽織れるのではないか。
 黒のトレンチ・コート一着あれば、
 かなり広い着こなしが可能になるはず。
 しかも裏に保温性のある、
 着脱自在のウォーマー(ライナー)を添えたなら、
 オール・シーズン使えるのではないか。
 ところが黒のトレンチ・コートを仕立ててくれる店があるのです。
 神宮前の「バーバリー」(TEL 5778-7891)。
 つまりバーバリーのトレンチ・コートが、
 セミ・オーダーできるのです。
 まず黒い表地を選ぶ。これはコットンとポリエステルの混紡地
 (51%コットン、49%ポリエステル)の黒い表地があります。
 次に裏地をどうするか。
 むろん好みの問題でしょう。
 が、私としては赤の裏地を選びたい。
 さて、それからウォーマー(ライナー)を選ぶ。
 これも赤のウール地を選ぶ。
 当然、袖丈やコート丈についても註文を出すことが可能。
 するとデータをロンドンに送って、
 約8週間で仕上げてくれるのです。
 値段はざっと23万円位。
 う〜ん、トレンチ・コートが似合う男になるにも
 ある程度投資は必要なのですね。
 完成したら、1週間ほどガウン代りに家のなかで着て下さい。
 自然な皺が生まれたところで、
 外に着て出掛けましょう。
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