服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第305回
自分だけのドレス・ジーンズ

ジーンズはよく穿きますか。
私のカジュアル・ウェアはほとんどジーンズ。
ブルー・ジーンズ、ホワイト・ジーンズ、
ブラック・ジーンズ・・・。
ジーンズなら何でも穿きます。
もちろん私自身は、もはやジーンズに
最適の体型でなくなっていることは、
よく知っています。
それでもなおジーンズを穿くためには、
ちょっとした工夫があるのです。

ジーンズに話しかける。
「私はもう理想的なプロポーションではないよね。
でもね、私はお前が好きなんだよ、
どうしても穿きたいんだよ。」
これは冗談ではなく、本当のこと。
つまりですね、ジーンズのことをこわがったり、
嫌ったりすると、絶対に似合いません。
嫌いな服を着ても似合わない。
これは当り前のことです。

では、ジーンズが好きになるにはどうするか。
私の方法はこうです。
自分のサイズよりも
2サイズ位大きいジーンズを選ぶ。
たいていの人はジーンズは
ジャスト・フィットで穿くもの、
と信じているから、きっと驚くでしょう。
そんな大原則は忘れて下さい。

実際よりも2サイズも大きいものなら、
ゆったりと穿くことができます。
ヘソの辺りをすっぽり包んでくれる。
ウエストは太いベルトで締めれば
まったく問題ありません。

次にやることは、
ジーンズの前後に折目をつける。
つまりごく普通のパンツのように穿くのです。
むかし本物のカウボーイは、
作業用と外出用のジーンズをはっきりと分けていた。
労働のあと酒場に行く時は、
きちんと前後に折目をつけたジーンズで出掛けたのです。
ウソのようなホントの話。

ですから洗った後はアイロンで前後に折目をつける。
これを繰り返してるうちに、
自分だけの白い折目線があらわれるようになります。
靴もスニーカーではなく、スポーティーだけれど、
ヒール(踵)のある靴を選ぶ。
靴下ももちろん、黒や紺の無地物にする。

このドレス・ジーンズに慣れたなら、
もうジーンズの抵抗感は消えているはずです。
そこで次は自分の好きなジーンズを
好きなように穿けること間違いなしです。


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2003年7月25日(金)

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