第282回
おしゃれなおしゃれなジン・アイス
アイスクリームはお好きですか。
もちろん私は大好きです。
アイスクリームとさえ名がつけば、
どんなものでも好き。
なにしろ暑い夏にチリンチリンと小さな鐘を鳴らしながら、
自転車の荷台に乗せて売りに来る、
アイスクリンの時代からずっと好きなのですから、
年期が入っています。
ただひとつ少し反省しなければならないのは
食べすぎることでしょうか。
好きなアイスクリームも好きなように、
好きなだけ食べれば良いのです。
でも私は時としてバニラ・アイスクリームの上に
ウイスキーを滴して食べることがあります。
ごく少量のウイスキーをかけることで、
さらにふくよかな味が楽しみます。
それに場合によってはアイスクリームが冷えすぎて、
固すぎるようなときにもおすすめします。
けれどもいろいろと試してみたのですが、
私の大好きな食べ方は、ジン・アイス。
つまりですね、バニラ・アイスクリームの上に
ジンを少量かけて食べる。
これはちょっとやみつきになってしまいますよ。
夕食の後などには、
ついついジンの量が多くなって、
これまた反省したりするのですが。
よく知られているように、
ジンはもともと薬酒として発明されたものです。
当時、オランダのライデン大学の医学教授であった
シルビウス(1614〜1672年)が、
純粋に薬用として考案したものと言われています。
これはジュニパーベリー(杜松実「ねずのみ」)を
アルコールにつけたものでありました。
このジュニパーベリーが後に
“ジン”ginと省略されるようになったのです。
今、ジンといえばロンドン・ジンが代表になっていますね。
で、ロンドン、ジンにはふつう、
アンジェリカ、ガランガ、マンダリンの皮、
ういきょうなどのエキスが含まれているとのことです。
薬酒であり、値段も手頃で、アイスクリームに使うだけなら、
1本あれば1年は楽に保つのではないでしょうか。
まあ、それはともかく、ジン・アイス、悪くないですよ。
お友達に、ステキな器に盛って、
少したらしてお出しすると、たいてい喜んでもらえます。
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