| 第276回美しい数の数え方
 
 数の数え方を知っていますか。1、2、3・・・。
 ひい、ふう、みい、よ、いつ・・・。
 数くらい誰だって数えられます。
 でも、枕を数えましょう、となると、
 ちょっと困ってしまいます。
 結局はひとつ、ふたつ・・・でお茶をにごしてしまいます。
 こんな時に正しく数が数えられたなら、どんなにか素敵なことだろうと思いませんか。
 たとえば枕は1基(いっき)、2基(にき)・・・と
 数えるのだそうです。
 そこで、数の正しい数え方を調べてみましょう。
 タコ。なんでも1ぴき、2ひきと数えるのは、大人としてはちょっと恥かしい。
 本当は1杯(いっぱい)、2杯(にはい)と
 数えるのだそうですね。
 これはイカやアワビもまったく同じことです。
 鏡を1面(いちめん)、2面(にめん)と数えるのは常識でしょう。
 でも、これが鏡台となると、1台、2台と数えます。
 そう言えばピアノも1台、2台と数えるのだそうです。
 かつお節。ふつうは1連(いちれん)、2連(にれん)と数える。けれども時に、1節(ひとふし)、2節(ふたふし)。
 1折り(ひとおり)、2折り(ふたおり)と
 数えることもあるようです。
 ところでかつお節削りは何と数えるのでしょう。
 私は知りません。どなたか教えて下さい。
 海苔はもちろん1枚、2枚ですね。でも、たいていは10枚1組で売られています。
 これは1帖(いちじょう)、2帖(にじょう)となります。
 もともとは紙の数え方ですが、
 むかしの書物なども1帖、2帖と数えることがあります。
 ようかんは1棹(ひとさお)、2棹(ふたさお)。カステラは1本、2本。
 ただし焼き上げたばかりの大きなかたまりは、
 1釜(ひとかま)、2釜(ふたかま)。
 またタンスなども1棹、2棹と数えることはご存じでしょう。
 まな板は1挺(いっちょう)、2挺(にちょう)と数えるのだそうです。
 これなどは数えてもらわないと分りませんね。
 同じように、みこしも1挺、2挺です。
 頭巾は1頭(ひとかしら)、2頭(ふたかしら)羽織は1重ね(ひとかさ)、2重ね(ひとかさ)
 袴は1腰(ひとこし)、2腰(ふたこし)・・・。
 こうなると、数の数え方でも
 ひとつの学問のように思えてくるほどです。
 とても全部は覚えられませんが、
 せめて物を数える時に、
 本当は何なのかと気をつけるだけでも、
 言葉づかいが美しくなるのではないでしょうか。
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