第277回
複眼の思考
今回は、日ごろご愛読下さっている
読者の渡辺(55才)様から
第271回 おしゃれなラジオが欲しい
について以下のメールをいただきましたので、
お答えします。
■渡辺(55才)様にいただいたメール
いつも楽しく拝読しています。
第271回のラジオのお話に共感しました。
しかし最大の長所が抜け落ちています。
ラジオは受信料を取られません。
ハードさえ買ってしまえば、
後は入るものは何でも無料で受信出来ます。
貴文はこの「無料」というところをお忘れのようです。
「それは常識だから」でしょうか?
民放しか見なくても、テレビはNHKの受信料を払わされます。
昨今、不景気で制作費が削られるからか民放はクズ番組ばかり。
仕方が有りません。
民放には受信料を払っていないのですから。
ようやくNHK受信料が意味を持ち出して来たようです。
「タダより高いものは無い」です。
いいものを見たり聞いたりしようとしたら金がかかるのです。
それにしても昨今の情報料の高さはどうでしょうか?
ケータイ電話しかり。
ケーブルテレビしかり。
そこでラジオが生きてくるのでは有りませんか?
民放でもNHKでも、また短波などで海外放送を聞いても全てタダです。
結論をいいます。
次の二点が欠落していました。
1. ラジオの受信はタダです。
2. ラジオの民放はテレビの民放番組よりも内容が優れています。
実はラジオの素晴らしいところはNHKでもタダだというところです。
■出石さんからのA(答え)
日頃からご愛読下さっているご様子、
ありがとうございます。
またご丁寧なお便りを頂きましたことについても
重ねて御礼を申上げます。
「ラジオは受信料が不要」
「ラジオの放送内容は優れている」。
なるほど、その通りですね。
渡辺(55才)様のご指摘下さったことは真実です。
恥をしのんで申しますが、
渡辺(55才)様からお便りを頂くまで、
まったく気づいてはいませんでした。
「あっそうだ!」と大いに反省させられた次第です。
「どうも私は競馬馬(けいばうま)のようなところがあって、
ひとつのテーマを見ようとする時、
前しか見ない悪い癖があるようです。
右にも目を配り、左にも目を配って、
もっとバランスのとれた内容にしなくてはいけませんね。
またひとつ、渡辺(55才)様に教えて頂きました。
本当にありがとうございます。
右からも見、左からも見て、
より主体的な内容に仕上げることを、
複眼の思考と呼ぶのだそうですね。
これまでの私はたしかに単眼の思考だったのでしょう。
でも、これからは渡辺(55才)様の教えを忘れないようにして、
少しでも複眼の思考に近づく努力をしたいと思います。
エラリー・クイーンの書いたミステリに
『Xの悲劇』があるのはご存じでしょう。
本格派ミステリのなかでも
必ずベスト・テンに入るくらいの名作です。
そもそもは1929年、『ローマ帽子の謎』で登場し、
以降はしばらく国名シリーズを発表しています。
『フランス白粉の謎』『オランダ靴の謎』
『ギリシア棺の謎』・・・。
これらミステリの作者、エラリー・クイーンとは、
実はマンフレッド・リーとフレデリック・ダネイの
合同ペンネームであることは、
よく知られている通りです。
つまり2人の合作ミステリだったわけです。
渡辺(55才)様と私が合作でなにかを書いたら、
もっと素敵な内容に仕上ると思います。
もし、今後、なにか機会がありましたなら、
渡辺(55才)様と合作ができたらなあ、と思っています。
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