服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第268回
遅刻防止の名案はありませんか

約束の時間に遅れたことがありますか。
私はこの間、それをやってしまいました。
遅刻、嫌なものですね。
ただし、いつもは時間に正確なほうですから、
私が遅刻するのは例外的なことなのです。

午後4時に、と約束をして、
待ち合わせ場所に着いたら、4時5分。
当然、相手はもう来ていました。
しかも相手は4人。
ということはひとり5分として、
掛ける4人で計20分の遅刻という気分になります。
でも、こんな時には
「遅くなって、申訳ありません」とあやまって、
すぐに打合わせに入ります。

ここで遅刻の理由をエンエンと説明するのは、
時間のムダという感じがするからです。
第一、いくら言い訳をしても、
時計の針を戻すことは出来ないでしょう。
私の場合、より正確に説明すれば、
遅刻そのものよりも、
相手を待たせることが嫌いなのです。
たとえば4時5分前に着いて、
もし相手が来ていたら「しまった・・・」と思ってしまいます。
逆に相手を待つことは比較的寛大なほうでしょう。

ところでここにおたがいに
遅刻を防ぐための名案があります。
「2時に会いましょう」とか
「3時にお待ちします」というやり方をやめるのです。
1時50分、2時50分、3時50分・・・。
つまり○時○分とより正確な時間を約束するのです。

「3時」というと、人はつい、
まあ、だいたい3時頃ね、と思ってしまう。
けれども「2時50分」といえば、
あっ、結構時間にうるさい人なんだ、
と考えるに違いありません。
そして結局のところ、おたがいに時間を守る可能性が
高くなるのではないでしょうか。

もしもこれでもダメなら、
「2時55分」「3時55分」というように
細かく刻んでみましょうか。
それでもダメなら、う〜ん、仕方ないですね。
世の中には時間に敏感な人とそうでない人との2種類がいる、
と考えてあきらめるんですね。

いつも平気で遅刻する人は
相手に依存しすぎているからでしょう。
でも、それは美しい生き方ではないように思えるのです。


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2003年6月18日(水)

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