服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第178回
細かいことにも気を配りましょう

ワイシャツに胸ポケットを付けるべきかどうか、
迷ったことはありませんか。
既製のワイシャツでも付いているものと、
付いていないものがあります。
イージー・オーダーの場合でも、
付けるか否かは客の選択に任されるのです。

答は簡単です。
ふだんワイシャツの胸ポケットを利用する人は、付ける。
利用しない人は、付けない。
ただし洒落者の立場としては、
胸ポケットなしのほうが粋である、と考えられています。
もちろん最終的には好みの問題。
シャツの胸ポケットほど便利なものはない、
と考えて両胸ポケットを必ず付ける人もいます。

ワイシャツの胸ポケットに似たものに、イニシャルがあります。
イニシャルは入れるべきなのかどうなのか。
イニシャル、正しくは“モノグラム”
(頭文字の組合わせ)と言うべきでしょうが、
ふつう「イニシャル」と呼ばれているので、
ここではそれに従うことにしましょう。

シャツでもハンカチでもむかしの上流階級の人たちは
ダース単位で注文したもので、
その際に使用者の頭文字をあしらう習慣がありました。
その名残りが今でも続いているわけです。
そして現在では、既製ではなく
注文のワイシャツであることを示すサインでもあります。
あえて実用性を探すなら、洗濯屋に出した場合、
間違えることが少なくなることでしょうか。

もしイニシャルを入れるなら、
さり気なく入れたほう上品だと思います。
その書体もあまり凝らず、
シンプルなほうが良いでしょう。
次にイニシャルを入れる位置。
もっとも一般的なのは、左胸の中央あたりです。
「さり気なく」ということからすれば、
袖口に入れたりするのはあまり上品ではありません。

そして最後に、色。
白地に濃いブルーなどが一般的です。
が、上品ということなら淡い色をおすすめします。
極端な例ですが、白地に白のイニシャルなども
とても粋な感じになります。


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2003年3月20日(木)

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