服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第179回
正しい箸の持ち方

箸の持ち方に自信ありますか。
改まってこう問われると、
たぶん怒りはじめる方もいらっしゃるでしょう。
「箸が持てなくて飯が食えるか」と。
その通りです。
私も実は最近までもう考えていたのですから。

この間、ある和食屋で食事をした時のこと。
私たちの近くで食事をしていた、
若く、きれいな女性がとんでもない箸の持ち方をしていたのです。
少し大げさに表現すると、箸をわしづかみにして、
平気で食事をしているではありませんか。
なんの関係もない他人のことではありますが、
どうしても目に入ってくるので、
気になって食事に集中できなかったのです。

この話を家に帰ってからしました。
すると家人が言いました。
「あなたも正しい箸の使い方をしているとは言えませんよ」と。
驚きました。
でも、よくよく聞いていると、
どうも正しい箸の持ち方ではないようです。
そこで人のふり見てわがふり直せと、
今、練習しているところです。
まさかこの年になって箸の持ち方を学ぼうとは
思ってもいませんでした。

箸は二本一組で、上になる箸と下になる箸とがあります。
この上の箸は人差指と中指の間に通して軽く持つ。
ところが私の場合、どうも中指と薬指の間に来てしまう。
これを正しい持ち方に直しているところなのです。

俗に「箸の上げ下ろし」という言い方がありますが、
たしかに食事のマナーは大切です。
ことにフレッシュマンの場合、
先輩に連れられての会食も多くなるでしょうが、
マナー以前の基本動作は心得ておくべきです。

わざとマナーに反したことを
やろうとしているわけでなく、単に知らない、
あるいは気づいていないことがほとんどなのです。
たかが箸の持ち方ひとつでも、嫌な人は嫌ですし、
「あいつはダメだ」と判断されることさえあります。
まず、正しい箸の持ち方をしているかどうか、
というところからはじめてみませんか。


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2003年3月21日(金)

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