服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第35回
帽子で寒さにさようなら

寒い時の防寒対策などしていますか。
まあ、ごくふつうに考えるなら重ね着ということになりますね。
でも、ここにもうひとつ、帽子を被る方法があります。
帽子は少なくとも重ね着の一枚分くらいの
保温性を持っているのです。

たいていの場合、室内で暑く、
室外で寒いということが多いのですが、
帽子なら簡単に着脱ができます。
帽子はおしゃれという以前にとても便利な防寒具なのです。
寒い国の人たちが帽子を愛用する理由が
これでよくお分りでしょう。
本当に寒い時には帽子を被らないと風邪をひいてしまいます。
体温は頭から逃げてゆくからです。

さて、帽子。
なにを被るか迷うでしょう。
もしネクタイを締めないスポーティーな装いなら、
ヨット・キャップをおすすめします。
前にだけツバのある船員帽。
マリン・キャップとも言います。
この帽子は、いつ誰が被っても
似合ってしまう不思議な帽子なのです。
しかも裏にキルティング地を張ってあったりして、
とても暖かいのです。
多少の雨や雪でも平気ですし、丈夫で、汚れも目立ちません。

たいていは深い紺色のメルトン地などですが、
場合によってはレザーやスウェード・コール天などの素材を
選ぶこともできるでしょう。

一方、ネクタイを締めるような装いの場合には、
チロリアン・ハットをおすすめします。
もともとは登山帽だったものですが、
今では代表的なタウン・ハットと考えられています。
この帽子はソフト帽に似ているのですが、
ソフト帽よりもスポーティで、
より幅広い愉しみ方ができるものなのです。

帽子の上手な被り方は、必ず左右どちらかに少し傾けることです。
絶対にまっすぐに被ってはいけません。
そしてもうひとつ。
帽子を被る時、「なんて私に似合う帽子なんだろう」
という呪文を口の中で3回となえることです。
これで間違いなく帽子はあなたの親友になってくれるはずです。


←前回記事へ 2002年10月28日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ