| 第144回音楽配信サービス/何が消費者にとって良いのか
 待ちにまったアップルの楽曲ダウンロードサービスが始まりました!と言っても、日本の話で、台湾ではまだですが・・・。
 100万曲以上のレパートリーを揃え、
 1曲のダウンロード価格が150円と他社サービスの約半額で、
 サービス開始後4日間で販売数が
 これまた100万曲超(16日間で200万曲突破)、と
 上々の滑り出しのようです。
 2年前にスタートした本国アメリカでは既にダウンロード数が5億曲を超え、
 価格も99セントと「1曲ワンコイン」が実現済、
 アップルは業界70%のシェアを維持していると言われています。
 日本での導入が遅れたのは、
 「複雑な著作権問題」が原因とのことで、
 ソニーミュージックエンターテインメント(SME)は
 参加を見合わせています。
 今から6年ほど前に、アメリカで「ナップスター」という
 音楽共有のソフトが若者の間で大流行しました。
 インターネットを介して、
 他人が持っている楽曲をタダで自由にコピー、
 共有できるという画期的なソフトですが、
 全米レコード協会に訴えられ、
 2002年には一旦消滅してしまいました。
 ただし、デジタル化した音楽は簡単にコピーができ
 世界中に広がってしまう、という事実は残りました。
 誰もがタダで音楽をコピーするようになったら、音楽をビジネスにする人はいなくなるのか?
 消費者を、「この値段でこんなに便利なら買ってもいい」
 という気持ちにさせたのがアップルでした。
 自分の買いたい曲だけ買える、
 パソコンがインターネットにつながっていれば
 24時間いつでもどこでも買える、
 コピーもある程度認められる、
 ソフトがとても使いやすい、
 iPodにコピーすれば気軽に持ち歩ける・・・。
 これほど便利なら買います、よね?
 利益を上げるために、自分たちのやり方、あるいは考え方を守りたい、
 今までそれで成功してきたなら尚更です。
 しかし、商品やサービスを
 使ってもらうお客様に喜んでもらえなければ、
 やがてそっぽを向かれてしまいます。
 今のところ参加を見合わせているSME(ソニー)が、
 ハードに拘らず、果たして態度を変えるのか、注目しています。
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