| 第129回何に特化しますか?
 私どもは主にノートパソコン向けのセンサーモジュールを生業としておりますが、
 キーパーツは、日本のサプライヤーさんに供給してもらっています。
 理由は「その材料はそのメーカーしか扱っていないから」、
 「品質が安定しているから」で
 「価格が安いから」ではありません。
 台湾での現地調達化は以前から行ってきましたが、
 最後に残ったキーパーツは日本から切り替え「られ」ないでいます。
 コストダウンのために、セカンド・ソースとして他のメーカーさんを承認して使用する試みを行っていますが、
 価格がいくら安くても、
 品質異常や、納期割れを頻繁に起こすようでは意味がありません。
 これは、台湾メーカーに関わらず日本メーカーでも同じことです。
 認定のため工場に行くと、整理整頓が為されていなく、
 (信じられないことに)
 工程内にタバコの吸殻が落っこちていたりします。
 そういう会社に限って、品質面の問題を追及すると、
 「これくらい問題ないでしょう」、
 「管理を追加すればコストアップします」
 という答えが返ってきます。
 一方で、現在お付き合いいただいているキーパーツのサプライヤーさん達は、
 その製品分野に関し必ず他社に真似できない強みを持っています。
 工場監査に出向くと、
 整理整頓(業界用語では「5S」と言います)が行き届いており、
 行き会う社員の皆様が必ず挨拶してくださいます。
 一時期の日本は、出張で帰国しても元気ない雰囲気でしたが、
 最近では、会社によって
 確かな足取りを踏んでいらっしゃる様子が垣間見え、
 喜ばしい限りです。
 日本の製品・サービスが世界でなぜ高い評価を受けているのか、冷静に考えてみれば自ずからどうすれば良いかが見えてきます。
 「安い」ことが武器にならなくなった今、
 「高くても買ってもらえる自分の強みは何か」
 を突き詰めている会社がお手本になります。
 我々台湾の会社は、以前の日本のように
 「安くても良い品質、同じか少し良い機能」が
 当面の目標になっていますが、
 最終的には「価格に頼らない会社」にしたいと思っています。
 カギは、「自分が何に強いかを知る」ことにあるようです。
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