石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第119回
ビジネススクールは役に立ちますか?

若くして起業され、活躍されている社長さんとお話していると、
「石原さん、ビジネススクールって役に立ちますか?
私も今度行こうかなぁと思っているんですよ」
と言われることがあります。

ビジネススクールに行って何が役に立ったかと言えば、
それは「引き出しが増えた」という一言につきます。
会社を経営していれば、
ヒトの問題から、カネ、モノにいたるまで、
ありとあらゆる障害を
一つ一つ乗り越えていかなければなりませんが、
その時、「こんなやり方ではどう?」、とか
「それ試したら?」とか、
「ケース」と言われる企業経営の事例を通じて
疑似体験的に自分が学んだ様々な方法論のなかから選択したり、
学校の同級生からアイデアをもらったりして
実際に適応していくわけです。
ですからビジネススクールは、
会社という名の車を運転するための
自動車運転学校のようなものなのですね。

この手の学校に最適なのは、
一旦就職して何年か働き、ある程度実務経験を積んだ社会人達で、
学位を取得した後は、すぐ起業する人もあれば、
経営コンサルタント会社や投資銀行に就職する人、
起業派遣で元いた会社へ戻る人等にと進路が分かれます。
授業料はかなり高いし、
正規課程だと丸2年間ブランクができてしまいますので、
会社に再就職する学生にとっては、大学と同じように、
どれだけ名の通った学校のマスターをとれるかが、
投資をどれだけ早く回収できるかに影響するという意味で
重要な意味を持ちます。
受け入れる側にとっても、より「運転」がうまそうな人を雇う方が
確率が高いともいえますね。

実践で百戦錬磨の実績を積んでおられる社長さんには
既にたくさんの「経験」という名の引き出しがあり、
あえてまた学校に行かれる必要もないと思うのですが、
早くから仕事一筋で来られた社長さんの中には、
「自分の学歴は不充分なのではないか」
と悩まれる方もいらっしゃいます。
私の実感では、いくら「引き出し」があっても
疑似体験は所詮疑似体験、
「経験」という名の引き出しから出てくる智慧にはかなわないなぁ、
といったところです。


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2005年7月21日(木)

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