石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第51回
この道は、いつか来た道?

仕事で、中国の天津に行ってきました。
久しぶりの中国大陸への出張ですが、
東北部へ行ったのは初めてでもあり、いろいろな発見がありました。
行く前は風が強く寒いから、
暖かい格好をしてくるようにと言われていたのですが、
着いた日は気温が20℃以上ありいい陽気でした。
ただ景色が見慣れた台湾とは全く違い、
「見渡す限り茶色」、というのが第一印象でした。

空港から市内のホテルへはタクシーで30分程度でしたが、
広い道路を進むうち、
一面のまだ葉も出ない木々のはるか向こうに
巨大な火力発電所が見えかくれしていました。
もちろん前後左右360度、山は視界に入りません。
市内に近づくと、
たくさんの中・高層の新しいアパートが建築中でした。
道路のすぐ脇に建ったばかりの小奇麗な物件は、
坪あたり単価約6000人民元とのこと(日本円約78,000円)ですから、
仮に50坪の物件を買ったとして、
日本円にしたら約4百万円でマイホームが手に入ることになります。
タクシーの運転手さんによると、
会社の社長さんやマネージャー等の富裕層が入居するそうです。

天津市は中国四大直轄市の一つで、
北京への海の玄関口として栄え、
現在では約1,000万の人口を誇りますが、
1858年のアヘン戦争後列強の租界設置が相次ぎ、
満州国に近く日本租界もあったことから、
今でも日本語を話せる人が多いそうです。
大手日系企業が多数進出しているのも
そのような歴史背景によるのでは?と思わせます。

空港のBaggage Claimで荷物が表示とは違う場所から出てきたり、
四ツ星のホテルに予約を入れておいたはずなのに、
「没用!(無いわよ!)」
とフロントの女性スタッフにつれなくされたり、
相変わらず大陸の人たちらしいな、と印象を新たにしたのですが、
同僚の台湾人が
「中国人=大陸人(だーるーれん)の
服務(サービス)は良くない!」
と怒っているのを見ていて、なんだかくすぐったい思いをしました。
我々日本人もかつて
台湾の人たちにそのような印象を持ってきたからで、
だからこそ、そのような状態にこそ
ビジネスのチャンスがあると思えるのですね。


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2005年4月18日(月)

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